自閉症の息子をもっと知りたい。でも何を知りたいのか分からなかった私
小学生の知能検査としてよく知られているWISC。
実は自閉症の息子が小学校2年生の春、WISCを受けたいと主治医に相談したことがありました。
当時の私は、「みんな受けているみたいだし、やった方がいいのかな?」という程度の認識です。

息子のことをもっと知りたい気持ちはありました。
ですが、何を知りたいのかまでは言葉にできていなかったのです。
検査するべきかの相談をした主治医からは、「まだWISCを十分に受けられる発達段階ではないと思う」という見立てでした。
その時、私は、「必要になった時に受ければいっか」ぐらいに考えていたのです。
高学年に近づき進路への不安が大きくなりWISC検査を受けることに
そこから時間が経ち、小学校3年生の終わり頃。
気が付けば小学校生活も折り返し地点目前でした。
今は先生方の支援もあり、比較的穏やかに学校生活を送れています。
でも、この先もずっと同じとは限りません。
高学年になる。
中学校進学が近づく。
進路を考える時期が来ると思うと、「今のままで大丈夫かな」という気持ちが出てきました。
特別支援級なのか。
特別支援学校なのか。
高校受験はどうなるのか。

もし、中学受験という選択肢が出てきたらどうするのか。
その時初めて私は、「学校での支援や学習のヒントになる材料が欲しい」と思うようになったのです。
そして、約2年越しですが、改めて主治医へ検査を受けることを相談。
すると、主治医からは「今ならできそうだね」と言っていただき、WISC検査をしました。
「IQはいくつ?」より気になった自閉症の息子の行動
検査結果を聞いた時、私は思わず何度も、「この数字、合ってます?」と聞いてしまいました。
それぐらい予想していなかった結果だったのです。
各項目の数字の凸凹はありましたが、息子にしては高いIQの数字が出たことは素直に嬉しく感じました。
でもその一方で、「じゃあ今まで感じていた困りごとは何だったんだろう?」という戸惑いも出てきたのです。
ですが、心理士さんの話を聞くうちに、私が気になることが少しづつ変わっていきました。
IQの数字ではありません。
「だから、わが子のこの行動になるのか」ということでした。
心理士さんは、数字だけを説明するのではなく、息子がどんな情報を受け取りやすいのか、どんな場面で困りやすいのかを、一つひとつ丁寧に教えてくださいました。
その話を聞きながら、
「WISCって、IQの数字を見るだけじゃなく、その子の日常の行動と結びつけて考えることが大切なんだ 」
と思ったのです。

「忘れっぽい子」だと思っていた息子の見え方が変わった話
心理士さんの説明を聞いている時、私は今まで息子に感じていた困りごとの場面を思い出していました。
何かを取りに行こうとして忘れてしまうこと。
目に入ったものに気を取られて話がそれていくこと。
私はずっと、「覚えておくことが苦手だから」だと思っていたのです。
ですが、心理士さんが教えてくれたのは、「息子は周りの情報をたくさん受け取り、その情報から次々と考えが広がっている可能性がある」ということでした。
その説明を聞いた時、神経衰弱のことを思い出したんです。
私は何度も息子に負けていました。
「忘れっぽいのに、なんで神経衰弱は強いんだろう?」
そう思っていた疑問が一気につながり、「なるほどーーーー!!」となったのです。
忘れっぽいのではなく、息子なりの情報の受け取り方が、この行動につながっていたのかもしれません。
検査結果だけを見ていた時には分からなかった息子らしい情報の受け取り方の特徴が、日常の出来事と結びついた瞬間でした。
困りごとだと思っていた行動も、背景を知ると全く違って見えました。
そして同時に、「関わり方も変えられそうだ」と思えたのです。
ーーーーー
わが子の
ことばの遅れに悩むなら
まずこの本を読んでみてほしい。
▼画像をタップして読む

WISC検査で気づいた「IQの数字」だけではわからないわが子理解
もちろん検査結果の数字は大切です。
支援を考える上で、大事な材料になりますよね。
ですが、今回のWISCで私が一番得られたのは、IQの数字ではありませんでした。
検査結果と、息子の日常の行動が結びついたことです。
私が本当に知りたかったのは、
「この子はどう感じて生活しているのか」
「なぜその行動になるのか」
だったのです。

以前の私は、息子が忘れ物をしたり、話がそれたりすると、「どうして忘れるんだろう」と思っていました。
ですが今は、
「何か気になるものがあったのかな」
「どんな情報が入ってきていたのかな」
「どんな環境なら力を発揮しやすいのかな」
と、行動の背景を考えるようになれたのです。
これからも、検査結果を数字だけで終わらせるのではなく、毎日の生活と結びつけながら、息子に合った関わり方を考えていきたいです。
発達科学コミュニケーション
アンバサダー たなか ようこ






