音楽好きをきっかけに初めてのコンサートへ挑戦
昨年は参加を見送ったとてもにぎやかなコンサート。
参加された方の挑戦と成長の記録を聞き、今度はぜひ息子にも新しい挑戦の場を手渡したいと思っていました。
コンサートは初めてだけど、音楽は好きなので、『好き』から新しい挑戦に広げられるかもしれない。
そんな可能性も考えていました。
一方で、息子にとって「音楽を楽しむこと」と「ホールに入ること」は、また別のハードルがあります。
実は、妹のチアダンスの発表会も年2回開催されるのですが、毎回大きなホールに入るのを強く拒否してしまうのです。
ダンスを見るのも好きなので入ってしまえば楽しめるけど、いつも娘の出番の世話をしている私に代わって夫が半ば強引に会場に連れてきている状態。
けれど、今回のコンサートは、妹の発表会よりも小規模な会場です。
小さな会場で楽しく過ごす経験ができれば、妹の発表会だけでなく、映画館や劇など、新しい鑑賞体験にもつながるかもしれないと考え、参加を決めました。

大きなホールや初めての場所にはいくつものハードルがあった
今回の挑戦には、息子が苦手としていることがいくつもありました。
✅毎週土曜日に決まっている過ごし方が変わること。
✅経験したことのないコンサートへ行くこと。
✅初めての場所へ入ること。
✅大きく迫力のある建物やホールへ入ること。
✅知らない曲を聴くこと。
息子が安心して新しい経験へ向かうためには、会場へ行く前から準備する必要がありました。

成功体験の記憶を残すことを今回のゴールに決めた
初めての経験に向けた準備については、これまでにも息子と何度か挑戦を重ねてきました。
今回参加するコンサートには、
・泣いても大丈夫
・途中で出入りしても大丈夫
・立ち歩いても大丈夫
・障害のある子どもも参加できる
という環境が用意されていました。
初めての場所に挑戦する息子にとって、参加方法を厳しく求められない環境は大きなポイントでした。
今回のゴールは、
最後まで座ってコンサートを聴くことではなく、楽しい成功体験の記憶を残すこと。
入れない時に無理に入れるのではなく、息子が理解できることや受け入れられる範囲を見ながら準備しようと決めました。

見通しを持てる準備と待つ対応で自分の足でホールに入れた
音楽会をイメージできる絵本を2週間前から読んだ
コンサートの2週間前、図書館で『森の音楽家』の童謡の絵本を借りました。
「コンサート」という言葉よりも、「音楽会」という言葉の方が息子には伝わりやすいと考えたからです。
下の子も一緒に絵本を読み、歌やリズムに合わせながら音楽会のイメージを伝えました。
リズムがあると内容を理解しやすい息子にも合っていたため、今後も使っていきたい予告方法の一つになりました。
スケジュールボードで事前に予告した
普段使っているスケジュールボードには、コンサート会場や演奏中の様子、息子が知っている先生の写真を貼りました。
✅いつ行くのか。
✅どこへ行くのか。
✅誰と会うのか。
✅何をするのか。
普段の土曜日とは予定が違うことも認識させるようにしました。
すると、息子は写真を見ながら手を叩き、笑顔で眺めていました。
そして、「先生と音楽会に行こうね」と声をかけると、スケジュールボードを確認しに行く姿も見られたので理解はOK。
動画で会場や音楽も予習した
インスタやYoutubeで過去に開催されたコンサートの動画も事前に見せました。
会場の雰囲気。
楽器を演奏している様子。
実際に流れる音楽。
当日初めて経験する情報を少しでも減らすためです。
息子は動画をよく見ており、曲に合わせてくすぐり遊びを取り入れると楽しみながら聞くことができました。
前日にソーシャルストーリーブックを作成
前日には、写真と短い文章を使って予定や過ごし方を伝えるソーシャルストーリーブック(以下SSB)も作りました。
スケジュールボードだけでは伝えきれない、家を出てから会場で過ごすまでの流れをまとめました。
スケジュールボード、動画、SSBを見せながら、「一緒。ホルンさんと音楽会に」と伝えると、息子はニッコニコの笑顔に。
前日も当日の朝も、元気に家の中を動き回っていました。
初めての建物の入口で入場を拒否した
当日は、普段とは違う土曜日でしたが、SSBを見ながら車でスムーズに出発。
予定していた駐車場が満車で会場周辺を何度か回ることになりましたが、大きく崩れることなく車を降りることもできたんです。
ところが、会場の建物へ入ろうとすると息子が止まりました。
華やかで迫力のある入口を前に、しゃがみ込んで入場を拒否。
私は息子と同じ高さまでしゃがみ『ちょっと嫌かな』と声をかけて、楽しく誘ってから、私と主人で両手を繋いだら少し安心したのか入ることができました。
建物内でも、
「絵があるね」
「鳥さんだね」
「写真を撮るよ」
と目に入った情報をこまめに実況中継しながら移動。
建物に入ったあとは、大きな拒否なく進むことができました。
ホールの前では急がず待った
ホールへ入る場面では再び入場を拒否。
無理に入れず、ホール前のベンチで2人で手を繋いで座ってクールダウン。
外でも音や会話がしっかり聞こえてきたので、実況中継したり、音楽に合わせてトントン触れたり、くすぐったりして、2曲くらい聴いていました。
少しずつ表情が柔らかくなったところで、パパと私が両手をつなぐと、息子は立ち上がりました。
そして、
自分の足で歩いてホールの中へ入ることができたんです。
『入れたね!かっこいい〜』と伝えると少し表情もやわらかくなりました。
ホール内では眠気もあり、しばらく甘える様子もありましたが、時々笑顔を見せたり、手拍子をしたり、演奏が終わると拍手する姿も✨
最後の2曲ほどは集中が切れていましたが、長い時間座って音楽を聴くことができました。
さらに帰りには
・普段苦手な写真撮影にも挑戦し、ピアノ奏者と一緒に写真を撮れた。
・近くの公園では初めて自分でシャボン玉遊び
・普段は苦手なお店での買い物にも付き合ってくれた。
など嬉しい「できた」も。
新しい経験がたくさん詰まった1日になりました。

コンサートでの成功体験から広がった新しい挑戦
娘の発表会のときは抱っこして無理にホールの中に入れてしまっていたけど、にぎやかなコンサートという環境。
そして『成功体験の記憶がゴール』というマインドセットをしたことで、一度は拒否してもその後自分の足でしっかり、建物内にもホール内にも入れた息子✨
息子が理解できる範囲、許容できる範囲を見ながら、準備・対応できた今回の挑戦。
コンサートという新しい世界♩
この親子の成功体験をしっかり記憶として残して、この夏新たな挑戦を続けていきたいと改めて感じた夏休み初日となりました。

発達科学コミュニケーション
岡田 朝陽






