安心できるママの声かけ対応が癇癪後の夜泣きを防ぐ
実はママの癇癪対応の工夫一つで自閉症の子に深い安心感を与えてあげることができます。
寝る前の癇癪をスルーし続けることで疲れて眠ってはくれるものの、夜泣きしてしまって真夜中にまた対応に悩まされるという経験はありませんか?
寝る前の癇癪には、切り替えを手伝ってあげる必要があります。
大泣きするような不安な気持ちの時に「さて、眠ろう」と切り替えるのは大人でも難しいですよね。
ママが安心させてあげられる適切な対応をすることで言葉が遅い自閉症の子も安心して眠れる夜を迎えることができますよ。

「癇癪スルー」はNGだった!自閉症の娘の夜泣きが改善した日
私には3歳の自閉症の娘がいます。
娘には知的障害があり、言葉は喃語を発しています。
自閉症の娘は寝室が大好き。
寝室ではまず興奮してベッドの上で飛び跳ねたり、でんぐり返りをしたりして遊びます。
ですが、眠たいと癇癪を起こしやすい傾向があり、みんなが寝ようとするともっと遊びたくて癇癪に変わってしまうことがよくありました。
結局、興奮して遊んだ挙句に癇癪で暴れ、娘が疲れ果てて眠るまで、1、2時間かかることは日常茶飯事でした。
更に困ったことに、癇癪を起こして眠った日は、真夜中に泣いて起きるのです。
その対応で夫と共に睡眠不足でボロボロになっていきました。
毎回同じようなパターンで起こる酷い癇癪はママへのアピールが理由だと思いスルーしていましたが、改善する兆しが見えず、癇癪のまま疲れて寝ると真夜中にすごく悲しそうに泣いて起きるのでとても胸が痛み、私は何か間違えてるかもしれないと思って対応を変えました。
具体的には、癇癪の時にただ泣き叫んでいるのではなく、娘が何か喃語で話してるのかもしれないという瞬間や、少しでも泣き止んだ瞬間に注目して肯定的な声かけをします。
また、あまりにも泣いている姿を見ていると、本当に1番辛いのは娘本人だといつも感じていました。
なので、娘に「嫌だったね」「しんどいよね」、落ち着いてきたら「大丈夫だよ」「どんなあなたも大好きだよ」と、どのくらい言葉を理解しているかわからないですが、温かい声色で話すことを意識して無条件の愛を感じてもらえるようなイメージで語りかけました。
すると、落ち着くまでの時間がぐっと減り、安心してから眠ってくれることで夜泣きもほとんどなくなっていったのです。

癇癪を鎮めて夜泣きも防ぐママの神対応とは
それでは、対応の詳細を順を追ってお伝えしていきますね。
①癇癪中のことばのような発声に注目
癇癪中にただ泣き叫ぶのではなく、何か少しでも喃語で話そうとしているような発声が聞こえたら、それを真似して反応します。
例えば、
子ども「あーいー!」
ママ「『あーいー』なんだね」
という感じです。
「いやー!」と言えたり、意味のある言葉が出た時はすかさず反応します!
「イヤ、なんだね。教えてくれてありがとう」
すると、だんだん落ち着いてママの言葉に耳を傾ける準備が整ってきます。
②共感し、無条件の愛を伝える
「もっと遊びたかったね。」
「みんな寝ちゃって嫌だよね。」
「暗くて電気をつけたかったのかな。」
子どもが本当に思っていることはわからなくても、想像でいいので言葉にして共感します。
そして座ったままでいいので抱きしめて
「大好きだよ」
「生まれて来てくれてありがとう」
と、優しい声で言ってあげて下さい。
あなたはここにいていいんだよ、ありのままのあなたでいいんだよ、生きてることが素晴らしいんだよという無条件の愛を伝えて安心させてあげましょう。
③願いを叶えてあげる
癇癪が落ち着いた状態で、まだ眠れそうになく、寝室から出たいような訴えがあった場合は、思い切って願いを叶えてあげましょう。
そこで願いを叶える時の大切な条件は、癇癪じゃなく、ジェスチャーやことばでそれをママに伝えることが出来たかどうかです。
例えば、手を引いて扉に当てたりして伝えることができた場合には、言うことを聞いてあげましょう。

こうすることで、こうやって伝えたら聞いてもらえるんだと理解し、癇癪で要求することは得策で無いと学習してくれて、喃語で訴えたり、別の方法で伝えてくれるようになります。
寝室から出て10分だけでも好きな遊びに付き合ってあげてからもう一度寝室に誘うと、スッと受け入れて寝室へ移動してくれて、結果的に早く眠りにつく事に繋がったり、夜泣きをなくす事ができますよ。
寝る前の癇癪と夜泣きによる睡眠不足を卒業したいママはぜひ実践してみて下さいね。
発達科学コミュニケーション
トレーナー 奥山えりか






