おうち療育 知的障害育児

気持ちの切り替えが苦手な知的障害キッズが片付け上手になるマル秘テクニック

2025年10月9日

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遊びに夢中でなかなかやめられない子がすんなり次の行動に移れるようになるにはコツがあります。知的障害のある子を育てるママの実体験をもとに、気持ちの切り替えをサポートする関わり方を紹介します。

「そろそろお片付けしてお着替えしようね」と声をかけた瞬間、子どもの表情が曇ったりスルーされる。


…そんなやりとり、毎日のように繰り返していませんか?


特に知的障害のあるお子さんや、発達に特性のある子にとって「楽しいことをやめて次の行動に移る」ことは、大人が思う以上にハードルの高い課題です。


だけど、ちょっとしたママの関わり方で子どもが自分から切り替えてくれるようになるんです。


今回は、私自身の経験をふまえながら「気持ちの切り替え」が苦手な子どもへの対応術をご紹介します。


そもそも、どうして子どもは「次のことに移る」のが難しいのでしょうか?


その背景には、3つの大きな理由があります。

脳の切り替えが苦手だから

知的障害や発達の遅れがあるお子さんは、ひとつのことに集中しているとき、脳の “モード切り替え” がうまくできないことがあります。


「今これが大事!」と夢中になっている分、別の行動に移ることに抵抗を感じるのです。


遊びが安心で楽しい空間だから子どもにとって、遊びは自分らしくいられる世界。

やめること=その楽しい世界を手放すこと」なので、不安や拒否反応が強くなります。


次に何をするのかがイメージできていないから

「終わりにしたら何があるのか?」が分からないと、子どもは “ここが終わり=全部おしまい” と感じてしまい、心がついていけません。


知的障害のあるお子さんの中には、ひとつの活動に夢中になりすぎて次の行動にうまく移れなかったり、突然の切り替えに強いストレスを感じたりすることがあります。


そんな時、ママの声かけが驚くほど大きな効果を発揮します。


その理由はママという存在が子どもにとって安心感や信頼感の源だからです。

ママの優しい声や表情には子どもの不安を和らげ、心を落ち着ける力があります。


さらに、ママが日常的に行う声かけは、子どもにとって「次に何をすればいいか」を教えてくれる道しるべとなり、変化への不安を小さくしてくれます。


つまり、ママの声かけはただ言葉をかけているだけではなく、子どもの「心」と「行動」をつなぐ大切なサポートなのです。


信頼と予測可能性に包まれたママの声かけがあるからこそ、切り替えが苦手な子どもでも安心して次の行動に踏み出せるようになりますよ。

「うちの子、気持ちの切り替えが苦手かも」と感じたら、感じたその時が対応スタートのタイミングです。


たとえば──

  • 毎日のように切り替えで泣いたり怒ったりする
  • お出かけや通園の準備に時間がかかって大変
  • 親もついイライラしてしまう場面が増えてきた

そんな時こそ「ちょっと工夫してみようかな」と考えるチャンス


早すぎることはありません。今の積み重ね未来の “切り替え力” を育てます。

私には身体障害と最重度の知的障害をもつ息子がいます。


息子も小さいころから遊びに夢中になると、なかなか次の行動に切り替えることができませんでした


最初は、「もうおしまい!」「やめて!」と強制的に引きはなすような関わりをしていましたが、それでは子どもの気持ちがついてきません。


怒ったり泣いたり、機嫌が悪くなることも多く、私自身もしんどくなってしまいました。


「これは無理やり動かしても意味がない」と気づいたときから、私は関わり方を見直しました


すると少しずつですが、「おもちゃを自分から渡してくれる」ようになり、「次の行動に笑顔で移れる」場面が増えていったのです。

では、どうやってその切り替えの力を育てていけばいいのでしょうか?


ポイントはたった3つ


どれも今日からすぐにできることばかりです。


①「あと3分でおしまいだよ」と予告する

いきなり終わらせるのではなく、心の準備時間をつくる


視覚的なタイマーや、カウントダウンの歌などもおすすめです。


②「次の楽しみ」を見せる

終わり=何もない」ではなく、「終わったら○○があるよ」と次の楽しい見通しを伝えましょう。


例:「ブロック片付けたらおやつにしようね」

③「楽しかったね!」と気持ちを包む

子どもは「遊びが終わってしまった」という寂しさを抱えます。


その気持ちを大人が代弁してあげるだけで、気持ちの整理がしやすくなります


例:「すごく楽しかったね!またあとでやろうね」


「うちの子、なんでこんなにやめられないの?」と悩む必要はありません。


それは、まだ気持ちの切り替えの方法を知らないだけ・経験していないだけ


ママがちょっと関わり方を変えることで、子どもは「切り替えるってこういうことなんだ」と少しずつ学んでいきます。


焦らなくて大丈夫。


子どものペースで、親子のやりとりを重ねながら、心の切り替え力を一緒に育てていきましょう。


発達科学コミュニケーション
トレーナー 岩村 萌永(いわむら もな)


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