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ママの “甘え上手” が知的障害のある子の「やってみたい!」を育てる
知的障害のある子どもの子育ては言葉がうまく伝わらなかったり、動きのサポートが必要だったりと、大変なことがたくさんありますよね。
ママ自身もがんばりすぎて疲れてしまうことがあるのではないでしょうか。
だけど、「全部ママがやらなきゃ」と思わなくて大丈夫。
子どもが自信をもって成長を促せるママは「完璧なママ」ではありません。
むしろ「ちょっとお願いしてもいい?」と甘えられるママこそが、子どもの心と脳の成長を後押ししているんです。
例えば、「この袋持ってくれる?」「よいしょ、助かった〜!」というママのちょっとしたお願い。
これが子どもにとっては「ママの力になれた!」という誇らしい体験になります。
その体験が、「ぼくにもできた」「わたしもやってみよう」という自己効力感(=自信)をゆっくり育てていくのです。
さらに、ママが安心して甘えられる関係があれば、子どもも「ここなら大丈夫」と感じて自分らしくいられます。
それが子どもの脳の発達にとっての “安全基地” になるのです。

今の関わりが脳を育てる知的障害キッズが伸びるママの “甘え力”
ママたちは、療育、通院、学校対応、きょうだいケア、家事…と、やることが山ほどあって忙しい毎日。
「ちゃんとしなきゃ」
「もっとできるママにならなきゃ」
と、自分を追い込んでしまいがちです。
けれども、ママの心に余裕がなければ、子どもはそのピリピリを敏感に感じ取ってしまいます。
特に繊細でサポートが必要な子どもたちはママの表情や声のトーンにとても敏感です。
だからこそ、ママが今こそ「甘え上手」になることが必要なスキル。
ママが無理をせず、素直に甘えられることで、子どもに「人とつながるって安心できるんだよ」という大切な関係の土台を伝えられます。
もう一つ大切なのは、「今」この時期が、子どもの “脳と心の土台” を育てる大事な時間であること。
ママが「頼っていいよ」「ありがとう」と心から甘えることで、子どもの脳には
「信頼されている」
「必要とされている」
というメッセージが届きます。
それが子どもの未来を支える “自信” と “生きる力” を育てるのです。

疲れたママの甘えが知的障害の息子の自己効力感を引き出した
私には最重度の知的障害がある息子がいます。
手先も不器用なため、身の回りのことはほとんど私がやってきました。
しかもとても甘えん坊で、すぐに「おんぶして!」とおねだりしたり、「一緒に遊ぼう!」と誘ってきたりします。
ある日、どうしても疲れて動けない時がありました。
そんなとき、思い切って息子に「お母さん、今日はちょっと疲れちゃった。少しだけ休ませてもらってもいいかな?」と伝えてみることにしたんです。
息子は最初「えーっ!」と驚いた様子でしたが、すぐに「仕方ないよね」と受け入れてくれて、一人で遊んでくれました。
その間に私はゆっくり休むことができ、気持ちも体もリフレッシュ。
休憩が終わってからは、「おかげでお母さん元気になっちゃった。ありがとうね。」と伝えると、息子はとても嬉しそうに笑ってくれました。
その後も、同じように甘えると簡単なお手伝いをしてくれることが増えてきたのです。

知的障害キッズの自己効力感がぐんぐん伸びるママの甘え方
甘えることは特別なことではありません。
ママ自身の「助けてほしいな」「ちょっと頼りたいな」という気持ちを素直に伝えることから始まります。
- 小さなお願いからスタートする
「これ、持ってもらえる?」
「少しだけ見ててくれる?」
など、日常の簡単なことを頼ってみましょう。
子どもは「ママが自分を頼ってくれた!」と嬉しくなります。 - 感謝の気持ちを忘れない
お願いしたら、「ありがとう!」をしっかり伝えましょう。
感謝されることで、子どもは「役に立てた」「自分は大切な存在だ」と感じます。 - 無理のない範囲で甘える
疲れている時や気持ちがしんどい時は、「今日はちょっと助けてほしいな」と、シンプルに伝えてみてください。
甘えることはママ自身の心のケアにもなりますよ。 - 言葉や態度で安心感を伝える
たとえば笑顔で「手伝ってくれて嬉しいよ」や、優しい声で話しかけることも甘えの一部です。
子どもはママの気持ちが伝わると、もっと応えたくなります。
甘えることは「弱さ」ではなく、ママと子どもの信頼を深める大切なコミュニケーションです。今日から少しずつ試してみませんか?
発達科学コミュニケーション
トレーナー 岩村 萌永(いわむら もな)





