「城ヶ島の雨」という曲を高齢者施設での音楽療法でもよく使われます。
集団で歌うとちょっと難しいのですが(伴奏も!)、デイケアではそのスリルに私も脳が活性化しているなと思います。
とにかく詩とメロディが美しい曲です。
雨は降る降る 城ヶ島の磯に
作詞:北原白秋
利休鼠の 雨がふる
雨は真珠か 夜明けの霧か
それともわたしの 忍び泣き
さて、利休鼠という色をご存知ですか?
灰色がかかった緑色です。
千利休ゆかり(抹茶・竹林)の色ですが、江戸時代についた色の名前だそうです。
禅の本でこんなにも曖昧な色の名前がある日本人の感性の豊かさを大事にしようというような言葉を読んだことがあります。
虹は本当は7色でないように、発達障害の症状もスペクトラムと言われています。
この曖昧な色合いを本来日本人は愛していたはずなのに、子供や発達障害の症状を見るときにどうしても
「いつ歩きましたか?」「言葉は?」「多動は?」「知的障害の有無?」「手帳の有無は?」
と症状をぶつ切りに聞かれます。
診断も「自閉症スペクトラム障害」「ADHD」「知的障害」「ダウン症」とつきます。
もちろんそれもアセスメントでは大切です。
その次の支援となるとこの曖昧な色(スペクトラム)の部分をどこまで見つけられるかはとても重要だと思います。
支援者もですがもちろん親もです。
鼻の高さも人それぞれ違うように脳のクセも人それぞれ違います。
症状が強く出ることもあれば、目立ってでないものもあります。
心理学でも白黒思考(物事を白黒のみで判断してしまう考え方。)では心が疲れてしまいうつ病発症に関係があるとされています。
グレーの部分も受け入れていく訓練をしたりします。
私も親として自分と子供達特に眉子(小2:自閉症スペクトラム障害)のたくさんの色を見つけてあげたいと、この城ヶ島の雨の利休鼠の色を浮かべては思います。
子供の色ってなんだ??
って感じですけど、
一つは「心」かな。
楽しい色も悲しい色も全部受け入れたい。
もう一つは「思考」
これも見えない。
色をつけてその子の思考を見るのはちょっと難しいですね。
子供が白か黒かで考えているかなんてあまりピンとこないです。
「行動」は見えているぶん、尚更色がつけづらい。
ただ、白黒思考と一緒で「机の上登っちゃ、だめでしょ。」でなくて子供の行動に白黒つけるのではなく「こういう気持ちがあった上で行動したのね。」というところを見てあげたいと思います。
なんだか哲学的になってきたので休憩。。

利休鼠のカラーチップが家にありました!
500色の色鉛筆があったとして、使わない色もあるけどどの色だって誰かにとって必要。
苦手な色があっても決してダメな色ではないのです。
500色あっても人間の心なんて描けません。
それを想うだけで私は楽になります。
4連休。たくさーん外遊びします!
皆様にとって素敵な休日になりますように。お読みいただきありがとうございます。
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