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親の行動を変えるきっかけになった子どもチャンスプロジェクト☆
自閉っ子の育児では、「正解」や「こうあるべき」を子どもに押し付けがちではありませんか?
「正しいやり方はこっちだから、こっちの方がいいよ」
「こんなやり方は普通と違うからやってはだめ!」
などと、つい、大人の価値観を子どもに伝えてしまいます。
自閉っ子たちは予想もしない行動を取ったり、大声を出したり、走り回ったりして、私たち自閉っ子の親には周囲に迷惑が掛かってしまうという気持ちが出てしまい、思い切った行動をとるという積極的な気持ちにはなかなかなれませんよね。
私も自閉っ子育児で消極的な思いを持つ親の一人でした。
しかし、発達科学コミュニケーションを学び、実践し、今川ホルンさんのおしゃべり上達ラボで、自閉っ子の特性や将来のことを知っていき、親が行動を変えるだけで自閉っ子のわが子の将来をキラキラと輝くものにしていけると知りました。
行動を変えることで子どもの将来が変わることを知ったので、人の多い休日でも近隣の公園に行って体を動かせるようにと自閉っ子のわが子を連れて外出する機会は増えていましたが、遠出や新しいことを始めるとなるとやっぱり二の足を踏んでいる自分がまだいました。
もっと勇気を出して行動したいのに、なかなかきっかけがつかめない、と思っていました。
そんな中、おしゃべり上達ラボの子どもチャンスプロジェクトとして自閉っ子生け花教室が大阪で開催されるという情報を小耳に挟み、是非参加したいと思いました。
自閉っ子と生け花に挑戦することにわくわくと同時に不安にもなった
生け花ができるなんて、とってもすてき!と思いました。
自閉っ子のわが子は工作やお絵描きが好きですが、お花を見るのも好きです。
それに、わが子と一緒に生け花が出来たら楽しそうだとわくわくしました。
家族みんなで、生け花をする機会なんてそうそうないですよね!
しかし、わくわくする気持ちと同時にたくさん心配もありました。
心配の中には「自閉っ子のわが子に生け花ができる?」と、そもそものイベントを楽しめるのかが不安でした。
生け花には正解がなく自由だから否定されずに表現ができる!
不安を感じているなか、今回講師を務めてくださったラボの仲間で自閉っ子のママのでもある岩田さんが「生け花には正解がない」と教えてくださいました。
花を生けていない作品もあると聞いた時にはびっくりしました。
割りばしだけで作ってある作品も過去にはあったと伺いました!
本当に自由な世界なんだな、と度肝を抜かれました(笑)
↑自閉っ子生け花教室の見本・割りばしを使用した岩田先生の作品
そして、生け花の自由な世界を知ることができたので、日々、工作やおえかきで自由に表現をしているわが子にはぴったりな世界だと感じました。
わが家は、今回開催された大阪府の隣接県在住ではありません。
ですが、せっかくの機会です!
子どもたちの新しい世界が広がることに期待して、そして私自身の世界を広げるためにも、開催される大阪まで足を延ばしてみることにしました。
きらきらの感性が大爆発した自閉っ子生け花教室
「生け花には正解がない」ということは、裏を返せば「不正解もない」ということなのです!
きれいに咲いている花をちぎって散らしていようが、割りばし一本刺しただけだろうが、もっと言えば、何も刺していなくても、わが子が「できた!」と思った作品ならば感性を使っての作品なのです。
できた作品に対してのアドバイスや感想は、正解がない生け花の世界では肯定の表現しか選択肢がないのです!
自閉っ子生け花教室に参加した子どもたちにとっては「新しいことに挑戦するきっかけ」、そして私たち親にとっては「褒める力をどれだけ高められるのかに挑戦する時間」でもありました^^
生け花の時間が始まると自閉っ子のわが子は自分の思うように花の茎を切ったり、サクサクとオアシスという生け花用のスポンジに次々と花桃の枝を刺したりして、あっという間に作品を完成させていました。
私の感覚だと、両手で包み込める程度の花器に花を生けようと考えると、結婚などのテーブルに飾ってあるバレーボールほどの大きさのフラワーアレンジメントをつくろうとイメージしていました。
しかし、わが子の感性はこじんまりしたものではありません!
準備されていた花桃の枝は1メートル弱ありました。
枝のなので四方に広がっていますが、わが子はそのままその枝を用意されたオアシスの真ん中に、ドーン!と刺した作品をつくっていました!
バラやラン、スイトピーなどの花や葉っぱ、ストローも刺していた作品もつくっていました。
それから、どこから持ってきたのかわからない約1センチの大きさの赤い実も、刺した花たちの足元に飾っていましたよ^^
完成したら講師の岩田先生をわざわざ探して自分の作品の前に呼び出し、わが子なりに作ったストーリーを一生懸命に説明していました。
わが子曰く、「赤い実がころころ~と転がってきて、作った作品の中を大冒険しているというストーリーがある」ということでした。
生け花中のわが子の表情はまさに真剣そのもの。
笑顔も時折ありつつ、しかし、目の奥には何か光っているようなものが見えた気がしました。
私自身も生け花は初めてなので、キホンのキの字もわからず、わが子が生けているの様子を否定する理由もないため、「たくさんの表現の仕方があるんだな」と感心するばかりでした^^
親のひいき目ですが、わが子の作品はとても素敵で、そしてダイナミックに花が生けてあり圧倒されてしまいました。
作品を見て言葉を失っていた私が絞り出した初めの感想は「すっごいね...!」でした。
わが子は私の言葉がけに対してきっらきらの笑顔で「すごいでしょ☆」と返してくれました。
前々から、どんなふうに褒めようかなど、イメージトレーニングもしていましたが、想像を超える作品を見せてくれたので、シンプルな言葉しか出できませんでした!
我に返り、素敵な作品を作ってくれたわが子にたくさん質問したり、気持ちを伝えたりしました。
「わぁ!きれい^^このお花の飾り方がママはお気に入り♡」
「飾り方もたくさん工夫したんだね!」
「どこが一番頑張って作ったところ?」
など、たくさんの言葉がけをしましたよ^^
わが子は「きれいでしょ」や「木を切って、作ったの」など、笑顔いっぱいで話をしてくれました。
大人から自閉っ子へたくさんの肯定の言葉がけや態度を見せることはとても大切です。
そして、見せることと同様に大切なことは、経験や気持ちを共有することではないのかな、と自閉っ子生け花教室を体験して思いました。
なぜなら、私はわが子の作品を見ての感想を伝えたくて、一緒に作品を語りたくて言葉がけをしました。
しかし、作品を作っていく過程を一緒に経験したり、同じ気持ちを共有できたりしたときの方が、さらにわが子に近づけたように感じたのです。
工作やお絵描きが大好きなわが子のできあがった作品を見せてもらうことは日々ありますが、よくよく考えると一緒に創ることはほぼありませんでした。
今回の生け花教室では私は運営側にいたため、わが子と最初から最後までずっと側にいて生け花をすることはできませんでしたが、それでも、途中でちょこちょこ話しかけたり、挿す花を選んだりしたときのことはとても印象的です。
私にとっても、わが子にとっても生け花教室はとても貴重な経験で特別な思い出として記憶に残っています。
わが子の想像力が豊かであることは知っていましたが、きっとこの自閉っ子生け花教室に参加していなければ、わが子のキラキラした感性を間近で感じることや知ることはなかったのかなと思いました。
わが子の感性には本当に驚かされ、感動しました。
そして、どんな可能性が息子の中に隠れているのだろうとわくわくした時間となりました。
きれいな花で癒されただけじゃない!親の価値観を変えた自閉っ子お花教室!
生け花教室以降、私は更にわが子のことを肯定できるようになりました!
生け花で自由なわが子の感性を肯定したことで、今まで私の目にかかっていた世の中の「正解」フィルターが取れて価値観が変わったのだと思います。
私の価値観が変化したことで自閉っ子のわが子の行動に寛容になり、もっと肯定的になりました。
わが子との日常のコミュニケーションがさらに肯定的になったことで、生け花教室参加前よりも子どもたちが私の話を聞いてくれるようになりました。
そして自閉っ子のわが子からのリアクションや表現がさらに豊かになりました。
生け花教室で作って持ち帰った花たちは、時間が経ってしまい残念ながらすでに枯れてしまいました。
しかし、子どもや私の胸の中には生け花教室で「できた」という経験の花が咲き続け、そして自信という実が結んでいます。
ちょっと自宅から遠くても心配があっても、子どもも私も自信がつき、成長できる自閉っ子生け花教室に挑戦してよかったです!
おしゃべり上達ラボの食いっぱぐれないプロジェクトでは、今後も子どもも大人も成長できる企画を開催する予定です。
イベント中だけでなく、その後の生活の中でも輝く子どもたちの笑顔の花束を是非、一緒につくりましょう^^
発達科学コミュニケーション
リサーチャー たなかようこ