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ママが不安が強い自閉っ子の我が子に「できた」の記憶を残すと決めたキッザニア
2024年9月7日、おしゃべり上達ラボの子どもチャンスプロジェクトでキッザニアに行ってきました。
私たち家族にとって1年ぶりのキッザニア。
元々、不安が強い自閉っ子の長男ですが、去年よりも何かをやらされることにとても不安を持つようになっていました。
長男に対して「そもそもキッザニアに入れる?行ける?」という不安な気持ちを私自身も持っていました。
自閉っ子にとって何回も経験することができることを増やしていくので、必ず参加したい!
だけど入れなかったらどうしよう…。
そこでホルンさんに相談すると、
「当日も色々あると思いますが、みんなで乗り越えて最後はできた!褒められた!っていう記憶になるように全力投球みんなでしていきましょう❤️」
とお返事をいただきました。
この言葉で、どんなことが起こっても、ママの声かけで最後はほめられた記憶にしちゃえばいいんだと思い、連れていくことを決意。
キッザニアイベントの日が近づくと、自閉っ子の長男の好きそうなアクティビティを調べ、何回も写真を使って予告をしました。
それでも、本当に入れるかドキドキする気持ちが残った状態でした。
不安はありましたが、ホルンさんからの言葉を思い出し、ほめられた記憶を残すことを目標に当日を迎えました。
自閉っ子の長男がキッザニア入場前に起こしたかんしゃく
キッザニアの前まではスムーズに来ることができた自閉っ子の長男!
ですが、入場前に久しぶりに最大級のかんしゃくを起しました。
泣く、ひっくり返る、叫ぶ、逃げる。
集合場所で「消防車する!」とホルンさんにも伝えていたのに、やっぱり不安な気持ちが消せなくて起こしたかんしゃくでした。
自閉っ子の長男の泣き声を聞いて、自閉っ子の長女も泣き出し、自閉っ子の次男は早く中に入りたいのに長男を待たないといけないから嫌になって寝そべって...。
とても大変な状態でした。
予測していたよりも、長男のかんしゃくが激しかったため、「わが家だけ入場できない?!」と私は不安になってしまいました。
焦っていた自閉っ子ママの気持ちが落ち着いたおしゃべり上達ラボのママたちの対応
何回も寝そべったり逃げたりしたけど、なんとか遅れてでもついてくる長男。
「みんなが行ったから行きたい気持ち」と「不安な気持ち」で揺れているのがすごくよくわかり、無理をさせているんじゃないかと少し辛く、入場を諦めそうな気持ちが強かったです。
だけどおしゃべり上達ラボの皆さんが、特に何も気にしてないという雰囲気でいてくれたおかげで
周りは自閉っ子のママ達。
かんしゃくなんて日常茶飯事。
みんなわかってくれているから、落ち着こう。
長男は少し時間が経てばいつも気持ちを切り替えてきてくれる。
長男を信じて待とう。
と思い直しました。
そしてたとえ、入場できなくても、アクティビティが何もできなくても、いい!
気持ちを切り替えて一緒にいてくれるだけでうちの子は頑張ってる!ハナマル!
できたことをほめて成功体験にしてしまおう!
自閉っ子が何回も起こしていたかんしゃくを落ち着かせたキッザニアでの成功体験
キッザニア入場前に激しいかんしゃくを起こした長男ですが、落ち着きを取り戻したきっかけがありました。
それはメガネショップでメガネを作ったこと。
メガネを作る前までの自閉っ子の長男は、気持ちの切り替えをしてなんとか入場してきてくれたものの、その後も気持ちが崩れたり持ち直したりを繰り返しました。
先にご飯を食べて、気持ちが落ち着いたかと思ったら、ご飯の後に参加したアクティビティの宅配センターのアルバイトでも気持ちが崩れしまいました。
「やってみる!」と言ってくれていたから参加したのですが、興味よりも不安の方が勝ってしまったようでした。
この浮き沈みに私たち親も一喜一憂してしまうため、少し落ち込み気味でしたが、気持ちが崩れながらもついてこようとする長男が頑張ってくれていることもわかっていたので、最後までついていけたことをほめていました。
かんしゃくを起こしながらも宅配センターのお仕事が終わり、次に予約していたアクティビティはメガネショップのメガネ職人でした。
普段から「メガネー」と言って私のメガネをかけたりしている長男なので、絶対好きだからやれる!と思っていました。
だけどメガネショップまで来ると、「やらない!」と言って逃げる長男。
そこで、発コミュのテクニックの1つであるスルーを使いました。
スルーしていると気持ちを落ち着かせて戻ってきてくれて、「いや」と言いながらも待つ場所の椅子に座ってくれました。
待ち時間は「座れたね!もうすぐメガネ作るよ。ママと一緒に作ろうね^ ^」とゆっくり優しく声をかけ、スキンシップを取りながら過ごしました。
ママが落ち着いていると長男も落ち着いていき、待つことができました。
そして、アクティビティ開始!
最初はいろんなメガネの説明の時間でした。
始まる前にたくさん「嫌だ」と言っていたのに、スタッフさんのお話をが始まると、きちんと聞いて、いろんなメガネを試着する長男。
説明の後、メガネを作る時間になり、補助をしようと隣で待機していた私なのですが、長男は店長さんの説明を聞いて、ママの補助なしでどんどんメガネを作成していきました。
私は補助する気満々だったので、本当にびっくり!
それと同時に補助がいると決めつけていてごめんなさいと思ってしまいました。
長男は細かい作業も自分でやり遂げ、完成すると、メガネをかけて私やパパに見せてくれました。
すごく満足そうでとても嬉しかったです。
メガネ職人ができたあとは、あれだけかんしゃくを起こしていたのにすごく落ち着いていて、退場時間になるまでキッザニアの中にいることができました。
成功体験ってこんなに自閉っ子の気持ちを安定させるんだなと思いました。
家に帰ってからも、自閉っ子の長男はおじいちゃんに自分からメガネをかけて見せていたり、夜に「もう一回かけて」と頼まれると、かけながらニコニコしていました。
その姿を見ていると「挑戦して良かった!成功体験にできた!」と思えました。
かんしゃくを起こしてもキッザニアには挑戦する価値あり!
かんしゃくを起こしてしまった自閉っ子の長男には「キッザニアはまだ早い」と周りに思われてしまうかもしれません。
けれど、1回できなかったからと諦めてしまうのは、長男のこの先の成功体験を作る機会を奪ってしまうと思います。
現に去年はパイロット、今年はメガネ職人ができました。
特に今年は補助なしで参加でき、成功体験を作ることができたのです!
そして成功体験が自閉っ子の長男の気持ちを落ち着かせたことも経験できました。
かんしゃくを起こしても、何もできなくても、経験することが次の「できた!」と自閉っ子の成長に繋がると信じて、私はまた来年もおしゃべり上達ラボの皆さんと共にキッザニアに挑戦していきたいと思っています。
発達科学コミュニケーション
リサーチャー 岩田 彩奈