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楽しい気持ちが音声模倣する原動力になる
「ことばの練習」と聞くと、つい“教えるもの”と考えてしまいがちですが、自閉スペクトラム症の子にとっては、「楽しいからやってみたい!」という気持ちが何よりの原動力です。
実は、これには脳のしくみがかかわっています。
楽しいことは脳が育つための一番の栄養なんです。
楽しいと脳が元気に働いて、「もう一回やりたい!」「まねしてみようかな!」という気持ちになります。
つまり、「楽しい!」「うれしい!」という気持ちが、子どものことばの脳を育てるのには一番大切なのです。
また、遊びの中では、ママの表情や声をよく見たり聞いたりするので、言葉の土台になる力(口を見る、音を聞く、まねをする)がぐんぐん育ちます。
自閉スペクトラム症の子にとって、くり返しがある遊びや、次に何が起こるかがわかる遊びはとても安心できて、大好きなママと一緒だと、さらに「やってみたい!」の気持ちが引き出されるのです。

自閉スペクトラム症の子が音声模倣に挑戦できる“今がチャンス”な条件
音声模倣を始めるには、いくつかの“前提スキル”がそろっているかを見てみることが大切です。
<こんな様子が見られたらチャンスかも?>
▶︎大人の口元を見ることが増えてきた
▶︎動作のまね(手を叩く、バイバイなど)ができる
▶︎自分から声や音を出している(喃語や笑い声など)
▶︎ママとの遊びを繰り返し楽しむことがある
こうした土台が整ってきたら、あとは「子どもが大好きな遊び」を活用していくと、模倣につながりやすくなります。

言葉が出なかった自閉スペクトラム症の娘が音声模倣できた“奇跡のストーリー”
私の娘は自閉スペクトラム症があり、これまで言葉は出ていませんでした。
療育も続けていましたが、反応が薄く、「言葉はまだ先かな…」と感じることも多く、正直、焦りや落ち込みもありました。
そんなとき、ある変化が起きたのは、私との遊びの時間でした。
娘は「鏡」を見ることと「ベーッと舌を出す顔遊び」が大好き。
私はそんな娘の「好き」を生かして、「あ〜、い〜、う〜、べーっ!」と声に出しながら舌を出して顔を近づけたりして、一緒に笑って遊ぶようにしました。
ある日、鏡の前でいつものように遊んでいたときのこと。
私が声を出したあと、娘が無言で鏡の中の自分の顔を見ながら「あーいーうー」の口の形を真似していたのです!
私は「今、まねしてたね!」と喜んで声をかけると、娘はにっこり笑って、私の口元を触って舌を出し「もう1回やって」と要求を伝えるような仕草をしました。
そんな風に毎日遊んでいたら、ついには発声つきで「あーいーうー」と言ったんです!!
声が出た!そのことに感動で胸がいっぱいでした。
私に「ベーっ」と舌を出すことを声を出して要求してくれた初めての瞬間でした。

自閉スペクトラム症の子が音声模倣できる4ステップ
ステップ①:子どもの「好き」を見つける
例)
鏡遊び、顔遊び、変な声、歌など
娘の場合は「鏡」「ベーっと舌を出す」でした。
ここではお母さんの顔を見てくれる「好き」を探すのがポイントです!
ステップ②:「音+動き」の遊びをつくる
例)
「あ〜い〜う〜、べーっ!」と発声+表情遊び
カウントの最後に子どもが大好きな動きがあるのがポイントです。楽しい!もう一回やって欲しい!という気持ちが模倣による要求を引き出します。
ステップ③:子どもが真似したらすかさず反応
▶︎「まねっこできたね!」とすぐに褒める
▶︎「もう一回やる?」とやりとりを楽しむ
▶︎口元に手を添えて意識を向けさせるのも効果的
最初は声が出なくてOK。
口の形の模倣が大きな一歩です!
ステップ④:日常に繰り返し取り入れる
▶︎決まったリズム・歌・言葉を毎日使う
▶︎少しずつ音の種類を増やす(「あいう」→「ぱぴぷ」「ままま」など)
遊びの中にさりげなく入れていくことで、「ことばの出る準備」が自然に整っていきます。
音声模倣のきっかけは、“特別な訓練”ではなく“いつもの遊び”の中にあります!
楽しく始めてみてくださいね^^
発達科学コミュニケーション
トレーナー 奥山えりか

公認心理師、5歳男女双子のママです。無発語だった重度知的障害・自閉症の娘とことばと心が通い合う感動の毎日を過ごしています。
育たない脳はありません!一緒におうちでお子さんとのことばのコミュニケーションを叶えていきましょう♪









