おうち療育

【調査結果発表】発達特性のある子を育てる134名に聞いた家庭で発達を後押しするカギは「安心・協力・余裕」―母親の多くが「自分だけが抱え込む」、父親の本音も明らかに―

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【調査結果発表】発達特性のある子を育てる134名に聞いた家庭で発達を後押しするカギは「安心・協力・余裕」―母親の多くが「自分だけが抱え込む」、父親の本音も明らかに―


私たちが日ごろ接している発達特性のある子を育てるご家庭からは「負担をひとりで抱え込みやすい」「夫婦で協力できていない」といった声が日々寄せられています。こうした切実な思いを拾い上げ、形にして発信する必要があると感じました。


そこで今回、自閉症総研ホルンでは発達特性のある子を育てる保護者を対象に、「家庭でどのような協力が発達を支えるのか」「どんな時に負担や孤独を感じるのか」などを明らかにするためのにアンケートを実施し、134名(母108名/父21名/その他5名)から回答のご協力をいただきました。


〇調査期間:2025年10 月 2日から10 月 31日 (30日間) 
〇調査方法:インターネット調査
〇回答者数と内訳:134名(母108名/父21名/その他5名)

アンケート結果

(1)回答者(計134名)

・母:108名(80.6%)
・父:21名(15.7%)
・その他:5名(3.7%)

(2) あなたの年齢

20代:1(0.7%)
30代:56(41.8%)
40代:62(46.3%)
50代:14(10.4%)
60代以上:1(0.7%)

(3) お子さんの年齢(複数回答可)

0–3歳:31(23.1%)
4–6歳:57(42.5%)
小学生:68(50.7%)
中学生:17(12.7%)
高校生以上:6(4.5%)

(4) お子さんの状況(複数回答)

診断あり:89(66.4%)
診断なしの配慮が必要:51
その他:2

設問別結果(詳細)

以下、すべて 母/父/その他 の3区分 で整理しています。
(%は各区分の人数を分母に算出)


【設問5】平日の育児関与時間(%)

選択肢その他
なし0.0%4.8%0.0%
~30分1.9%4.8%0.0%
30分~1時間0.9%28.6%0.0%
1~2時間14.8%4.8%0.0%
2時間以上82.4%57.1%100.0%

【設問6】育児で主に関わる内容(複数回答/%)

項目その他
食事93.5%71.4%80.0%
入浴69.4%90.5%40.0%
睡眠80.6%81.0%0.0%
通院・療育送迎76.9%38.1%20.0%
遊び・学習87.0%52.4%100.0%
学校・園対応88.9%28.6%40.0%
その他5.6%4.8%0.0%

【設問7】パートナーや協力者に感謝していること(%)

選択肢その他
家事・育児の分担50.9%61.9%40.0%
子への接し方27.8%47.6%80.0%
気持ちを受け止めてくれる14.8%14.3%0.0%
経済的な支え69.4%14.3%60.0%
療育・学校対応9.3%61.9%20.0%
得意・好きの伸長6.5%23.8%0.0%
子どもと遊ぶ53.7%23.8%20.0%
その他8.3%4.8%0.0%

<自由記述:その他>
子育てと仕事を自由にやらせてくれる
シングルなのでいない
出張の日にみてくれる
特にない
パートナーはいません
叱らないことに協力
家事をほぼ担当
学校送迎の分担
気付きが多い
休日ドライブ

【設問8】もっと望むこと(%)

項目その他
話を最後まで聞いてほしい15.7%4.8%40.0%
育児にもっと関わってほしい31.5%9.5%0.0%
感謝・労いの言葉28.7%14.3%40.0%
冷静に話してほしい13.9%28.6%40.0%
学校・園・療育にもっと関与30.6%4.8%0.0%
子どもと過ごす時間44.4%14.3%0.0%
自分の休息の尊重24.1%66.7%60.0%
その他21.3%23.8%20.0%

<自由記述:その他>
冷静に対応してほしい
これ以上望まない
パートナーはいません
体力をつけてほしい
キレないでほしい
栄養バランスの理解
仕事時間が長い
子どもの気持ちを察してほしい
接し方を学んでほしい
経済力
健康管理
正しい知識
将来を見据えて
経済面

【設問9】発達が進みやすいとき(全体%)

<自由記述:その他>
親が適切な接し方を知り実践できた時
合った環境がある時
タイミングと環境が合った時

【設問10】発達が停滞しやすいとき(全体%)

<自由記述:その他>
ストレスの原因が分からない時
本人の納得が得にくい時
周囲が環境づくりを怠った時

【設問11】「自分だけが抱え込んでいる」と感じる(%)

項目その他
よくある31.5%4.8%0.0%
ときどきある44.4%33.3%80.0%
あまりない19.4%52.4%20.0%
まったくない4.6%9.5%0.0%

(※自由記述なし)

【設問12】抱え込みを感じる場面(%)

項目その他
こだわり・癇癪46.3%28.6%80.0%
学校・園とのやりとり38.0%0.0%0.0%
周囲の理解不足18.5%14.3%20.0%
自分の時間がない30.6%33.3%0.0%
パートナーとの考え方違い35.2%19.0%40.0%
その他6.5%4.8%0.0%

<自由記述:その他>
相談できない時
自分の心の持ちよう
指示が通らない時
学校や医師の理解に疑問
決定権が常に自分
細かい考えの差
他の家族にも支援が必要
協力が得られない

【設問13】欲しい支援(%)

項目その他
外部サービス40.7%42.9%20.0%
職場の理解30.6%33.3%20.0%
学校連携31.5%38.1%40.0%
専門家相談41.7%47.6%40.0%
親同士の交流38.9%38.1%40.0%
経済的支援45.4%57.1%60.0%
情報提供43.5%28.6%40.0%
その他7.4%0.0%0.0%

<自由記述:その他>
区役所・療育センターの情報
親を支える場
得意を伸ばす支援
母親のメンタルケア
教育機関の不足
縦割り構造の問題
パートナーの協力
父が母の気持ちを理解する機会
子どもに合った支援方法

【設問14】パートナーや同じ立場の人へ伝えたいこと(一部抜粋)

・「昨日できたとしても今日はできない日もあります。疲れきっている日もあるから、突き放さず一緒に向き合ってほしいです。」(母)
・「毎日ただその日を終えることで精一杯で、未来に希望が持てない日もあります。」(母)
・「子どもの特性を理解したい気持ちはあるのに、どう関わればいいのかわかりません。」(父)
・「任せきりになって申し訳なく思います。それでもしっかりやってもらって本当に感謝しています。」(父)

家庭内のギャップが浮き彫りに…

今回のアンケート結果から、母親の76.0%が「自分だけが抱え込んでいる」と感じている一方で、父親からは「どう関わっていいかわからない」「仕事で関われず罪悪感がある」といった声も寄せられ、家庭内のギャップが浮き彫りになりました。

また、子どもの発達が進みやすいときとして最も多かったのは「安心できる環境(78.3%)」、続いて「好き・得意の活用(62.7%)」「養育者の余裕(50.7%)」でした。


一方で、発達が停滞しやすいときとして「養育者の疲労・ストレス(82.8%)」「特性に合わない環境(76.1%)」が上位に挙がり、家庭の負担や環境が子どもの育ちに直結している実態が確認されました。

「夫婦で協力したいのにかみ合わない家庭像」が明らかに

私たちが日々、発達特性のある子を育てる保護者さんと接する中で、


「育児が母親に偏りやすい」
「情報量や価値観の違いによる夫婦のすれ違い」
「父は関わりたいが自信が持てないという戸惑いがある」


といった構造が長く続いていることを実感しています。


今回のアンケート調査でも、母親の「抱え込み」につながる理由として

  • 子どものこだわり・癇癪対応:46.3%
  • パートナーとの考え方の違い:35.2%
  • 自分の時間が持てない: 30.6%


一方で父親の自由記述欄には

  • 「どう接すればいいかわからない」
  • 「任せきりで申し訳ない」
  • 「仕事で関われないことに罪悪感」

といった声が寄せられており、関わりたい気持ちはあるが迷いや戸惑いが強い様子が伺え、互いに協力したいのに上手くかみ合わない家庭像が明らかになりました。


さらに、子どもの発達の停滞理由の1位が「養育者の疲労・ストレス(82.8%)」であった他、「周囲の理解不足」「支援が得られない」など、家庭外の環境が壁となるケースも目立っています。

家庭の安心が整うと子どもは伸びる

多くのご家庭の相談を受ける中で、「家庭の安心が整うと、子どもは驚くほど伸びていく」という姿を何度も見てきました。


今回の結果で示された「安心できる環境」「子どもの好き・得意の活用」「養育者の余裕」という3つの条件は、私たちがこれまで見てきた親御さんの姿と一致しており、家庭の関わり方が子どもの「育ちやすさ」をつくることを裏付けるものでした。


またアンケートの自由記述欄には、母親からの

  • 「毎日必死で、未来に希望が持てない日もある」
  • 「怒らず接してほしい」「理解を示してほしい」

といった、父親へのリアルな要望が多数寄せられました。


一方で父親からも

  • 「関わりたいが正しい方法がわからない」

といった戸惑いの声もあり、お互いに協力したい思いは共通していることが見えてきました。


こうした声から今回、家庭の安心をつくるためのヒントを多くの方に届ける必要があると感じました。

【調査から見えた「家庭の安心をつくる3つのヒント」】

調査結果から、家庭の安心を整えるために「効果を感じやすい」と答えられた行動には共通点がありました。それは、負担を大きく変える特別な方法ではなく、日々の小さな協力でした。

ヒント1:「決めつけない・否定しない」関わりを心がける(主に父親)


母親の自由記述欄には、「怒らずに接してほしい」「できない日もあることを理解してほしい」といった、父親に対する具体的な声が多数寄せられました。これらは、「安心できる環境」と強く結びついており、主に父親がまずは「否定せず受け止める」関わりを意識することで、家庭全体の安心が大きく高まることを示していると思います。

ント2:1日5分だけでも「関わりの時間」を意識してつくる(主に父親)

母が「もっと望むこと」として最も多かったのは、「子どもと過ごす時間を増やしてほしい(44.4%)」でした。これは言い換えれば、父親に対して「少しでも関わる時間を持ってほしい」という明確な要望でもあると思います。たとえ短い時間でも、父親が自ら積極的に関わる場面をつくることが安心の土台になりやすいと考えます。

ヒント3:子どもの「好き・得意」を活用する(父・母双方)

発達が進みやすい条件の2位である「好き・得意の活用(62.7%)」は、父母どちらにとっても実践しやすい関わりです。工作、電車、絵本、歌など、その子の「好き」に寄り添って一緒に参加するだけで子どもは安心し、保護者自身も関わりやすくなります。

完璧じゃなくていい、あなたらしい子育てを応援します


134名の声から、家庭の中には見えない頑張りがたくさんあることを改めて実感しました。


同時に、母親の多くが抱える負担、父親が抱える戸惑い、そして発達の停滞要因として大多数が選んだ「疲労・ストレス」という課題も明らかになりました。


完璧である必要はまったくありません。


小さな理解と協力が積み重なることで、子どもたちは前に進んでいきます。今回の調査が、ご家庭の「安心の一歩」につながることを願っています。


自閉症総研ホルンは、これからもご家庭に寄り添い、発達を後押しする知恵と希望をお届けする役割を果たしていきます。

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