本日は、私の大好きな詩を
ご紹介します。
河井酔茗さんのゆずり葉という古い詩です。
引用させていただきます↓
ゆずり葉
子供たちよ。
これはゆずり葉の木です。
このゆずり葉は
新しい葉が出来ると
入り代わって古い葉が落ちてしまうのです。
こんなに厚い葉
こんなに大きい葉でも
新しい葉が出来ると無造作に落ちる
新しい葉にいのちをゆずって――。
子供たちよ
お前たちは何をほしがらないでも
すべてのものが
お前たちにゆずられるのです
太陽のめぐるかぎり
ゆずられるものは絶えません。
かがやける大都会も
そっくりお前たちが
ゆずり受けるのです。
読みきれないほどの書物も
幸福なる子供たちよ
お前たちの手はまだ小さいけれど――。
世のお父さん、お母さんたちは
何一つ持ってゆかない。
みんなお前たちにゆずってゆくために
いのちあるもの、よいもの、美しいものを、
一生懸命に造っています。
今、お前たちは気が付かないけれど
ひとりでにいのちは延びる。
鳥のようにうたい、
花のように笑っている間に
気が付いてきます。
そしたら子供たちよ。
もう一度ゆずり葉の木の下に立って
ゆずり葉を見るときが来るでしょう。
ちょっとだけセンチメンタルな
話を失礼します。
11年前の今頃、私は妊娠が発覚しました。
同時に実父が癌の末期でした。
3ヶ月後初孫の顔を見ることもできずに
父は他界してしまいました。
その時私はこのゆずり葉の詩が
浮かんだのです。
ああ、命って受け継がれていく。
お父さんのユーモアさも
明るさも私を通して生まれてくる
赤ちゃんに伝えていく。
そう思ったのを覚えています。
娘が自閉症とわかってからは
娘にゆずり受けていくのは
財産?土地?知識?教育?
なんて思った時期もあったのですが、
一番譲っていきたいのは
温かなコミュニケーション
だと思っています。
と、頭では思いながらも、
しゃべれない、かんしゃくだらけの
娘にイライラしていたわけですから、
私は
発達科学コミュニケーションに
出会ったのは運命でした。
肯定的な声かけが自閉っ子の
脳に最高の栄養!
と知ったことで
本当に救われたのでした。
さぁ、私だって人生いつ
終わってしまうのか分からない。
娘たちに何を譲っていこう。
いのちあるもの、
よいもの、美しいものを、
一生懸命に造って生きたい。