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自閉症の子の「ごめんなさい」に気持ちを乗せるには右脳の理解力を育てよう
「ごめんなさい」と言えるけれど、言わされているだけ…形だけでなんだか気持ちがこもっていない…。
そんな姿にモヤモヤしたことはありませんか?
実は、自閉症の子が“カタチだけ”のごめんなさいになってしまうのは、言葉の意味は理解できていても、相手の気持ちや空気を読み取る力が育ちにくいからなんです。
「言葉の理解」には、実は2つの側面があります。
ひとつは、「言葉そのものの意味」
これは左脳が主に担当しています。
もうひとつが、「言葉のニュアンスや、その場の空気、相手の気持ち」
これは右脳が担っているんです。
自閉症の子は、左脳での「言葉そのもの」は意外と理解できていることが多いです。
つまり、単語の意味や質問の内容そのものは、少しずつ育ってきている。
だけど「その言葉がどういう気持ちで言われたのか」や「今、この場では何を求められてるのか」といった“状況の文脈”を読み取るのが苦手。
たとえば、「ごめんなさいって言おうね」と言われて、素直に「ごめんなさい」と言えたとしても、
なぜごめんなさいを言うのか?どんな気持ちで言うべきなのか?が、いまいちピンときていない。
この“ピンとこなさ”を育てるためには、右脳の理解力、非言語コミュニケーション力を育てることが大事です。
ごめんなさいの本当の気持ちを受け取れるようになってきた息子たち
私自身、息子が兄弟げんかをした時にカタチだけ「ごめんなさい」を言わせることに疑問を感じていました。
そんな時に気づいたんです。
その場でどうこうするよりも、普段から右脳を育てる関わりが必要なんだと。
それからは、「言葉」だけでなく、声のトーン・表情・間(ま)をとることにも意識を向けるようにしました。
すると、少しずつ子どもの反応が変わってきたんです。
ちゃんと“気持ち”を受け取れる準備ができてきた感じがしました。

非言語の力が弱まる時代──だからこそ「右脳的な理解力」を意識しよう
令和の時代、SNSやオンライン中心の暮らしの中で子どもも大人も、非言語コミュニケーション力が弱まっていると言われています。
「ちゃんと言ってくれないとわかりません」と言う新入社員が増えているのも、もしかすると、この“右脳的な理解力”が育ちにくい時代背景のせいかもしれません。
だからこそ、自閉症のお子さんだけでなく、わたしたち大人も一緒に育つつもりで、「空気を読む力=右脳的な理解」を育てていきませんか?^^

カタチだけのごめんなさいが変わる!右脳の理解力を育てる声かけ
右脳の理解力を育てるには、日々の声かけの中で“非言語情報を届ける”関わりを意識することが大切です。
なかでもすぐに始められるのが、「声のトーン」に気を配ること。
同じ言葉でも、トゲのある言い方と、やさしい声では、子どもの受け取り方がまったく変わります。
右脳は、こうした声のトーン・間(ま)・表情など、言葉以外の情報をキャッチする力を担当しています。
まずは、角を取ったまあるい声で。
それだけで、子どもは“意味”以上に、“気持ち”を受け取る準備ができますよ!

発達科学コミュニケーション
トレーナー 桜山尚