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自閉症の子のパニックを見える化!「コミック会話」で子どもの気持ちの整理をサポート
自分の思い通りにならない…
要求が伝わらない…
自分の気持ちを上手に伝えられない自閉症の子は、パニックを起こしてしまうことがよくありますよね。
パニックを起こしているときは、頭の中が怒りでいっぱい。
冷静に考える余裕がなくなっています。
気持ちが落ち着いた時にパニックの状況を振り返ることが大切です。
・誰がいたのか?
・相手に言われたことは?
・自分が言ったことは?
・どんな気持ちだった?
・次はどう伝えたらいいか?
また、自閉症の子は目からの情報が入りやすいため、イラストや文字を交えながらパニックの状況を”見える化”すると子ども自身の気持ちの整理がしやすくなります。
この「状況の見える化」は、発達支援の現場などで「コミック会話」とも呼ばれています。
気持ちが落ち着いたタイミングで、絵や吹き出しなどを使いながらパニックの状況を整理し、次にどうすればよいかを一緒に考える支援法です。
おうちでの振り返りをたくさん積み重ねることで、また同じような状況が起きたとしても、「こういう時はなんて言えばいいんだっけ…」と考えられるようになっていきますよ。
学校で毎日大荒れで過ごす自閉症の息子のパニックが落ち着いたおうちでの振り返り
私には自閉症で中度知的障がいの息子がいます。
小学校支援級の1年生の時のことです。
2語文や3語文でお話しができるようになってきたものの、自分の気持ちを相手に伝えることがまだ難しい息子。
学校が始まって2ヶ月くらい経った頃、教室からの脱走、奇声など学校での問題行動が目立ち始めました。
ある日、お友達に噛みついてしまったという報告を担任の先生から受けたとき、私は本当にショックでした。
その日は朝からちょっかいを出し続けてきたお友だちのことが嫌だったそう。
「嫌だからやめてほしい」ということを言葉にして伝えられない息子は、手を振り払ったりするが気づいてもらえず…。
そして、一人きりになりたかった空間にお友だちがズケズケと入ってくると、パニックを起こしてしまい噛みついてしまったとのことでした。
パニックや噛みつきをせずに言葉で伝えられるようになってほしい。
そう考えていた時、パニックを起こした後に状況を視覚的に振り返ることで気持ちの整理ができ、積み重ねることでパニックを減らせる「コミック会話」という支援方法があることを知りました。
帰宅した息子に「今日〇〇くんと何があったかママ聞いてもいいかな?」と穏やかな声で話しかけ、パニックの状況をイラストや文字を使って一緒に整理していくことにしました。
自分の気持ちが上手く言えない息子に、「お友だちが来ないでほしかったのかな?それとも頭に手をポンポンしてきたのが嫌だったのかな?」と、私が息子の気持ちを代弁しながら、息子の本当の気持ちを理解していきました。
すると、「お友だち、来ないでだった」と、息子なりの言葉で気持ちを伝えてくれたのです。
また、自閉症に加えて中度知的障がいのある息子は言葉数も少ないため、相手にどう伝えれば良かったのかが分からないようでした。
そこで、「お友だちが来ないでほしかったんだね。そういう時は"来ないで"って言えばいいんだよ」と私が適切な言葉を教えていくことに。
このように、息子の特性に合わせたサポートを意識して関わったのです。
そして、おうちでの振り返りを学校とも共有していくと、学校でのパニックが徐々に減っていきました!
パニックの状況を客観視したことで、先生方にも息子の気持ちを理解してもらうことができ、上手くサポートしてもらうことができたのだと思います^^
学校生活でトラブル多発な今こそ!わが子とゆっくり会話して感情コントロール力もUP!
学校生活に少しずつ慣れてきて、友だちと関わる機会も増えています。
ですが、自閉症の特性でお友達との適切な距離が掴めずトラブルが起きやすくなります。
トラブルなどの問題行動ばかりに目を向けて「なんでこんなことしたの!」などと否定的な言葉をかけると、子どもの心はどんどん閉じていってしまうのです。
学校でのトラブルが続いている今こそ、落ち着いた環境で話を丁寧に聞くことで、子どもに寄り添えるタイミング!
「ママが自分の話を聞いてくれた」「自分のことを理解してくれた」という気持ちは子どもの安心感を育みます。
安心感はパニックの原因にもなるストレスを緩和させてくれます。
更に、ストレスを取り除くことで脳の考える部分が働くようになり、自分の気持ちをパニックではなく言葉で伝えられるようになるのです。
おうちでママが寄り添うことでパニックを減らすだけでなく、我が子の感情コントロール力もUP!
まさに一石二鳥ですね♪
おうちで「コミック会話」してみましょう!
状況や気持ちを絵や文字を使った 「見える化」で振り返りをしましょう!
紙とペンさえあれば誰でも出来る、とっても簡単なやり方です。
まず、人間の絵と吹き出しによる簡単なイラストを描き、そのときの状況を視覚的に振り返ります。
そして、パニックを起こした時に子ども自身や相手の言ったこと、そのときの気持ちなどを吹き出しに書き入れていきましょう。
自閉症の子は自分の気持ちを相手に伝えるのが苦手。
もし上手く言葉が出てこないようであれば「〇〇されて嫌だったのかな?」「疲れていたのかな?」などと、ママが子どもの気持ちの言語化を手伝ってあげてください。
自分の気持ちをパニックという行動で示すのではなく、言葉で適切に表せるよう、おうちで振り返りを積み重ねていきましょう!
発達科学コミュニケーション
アンバサダー 畠中 なつみ





