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ASDの息子が癇癪を手放すことができた“おしゃべり上達メソッド”
小学校3年生の息子は、特別支援学級の知的クラスに在籍しています。
ASDの診断に加えて、ADHDと知的グレーゾーンの特性もあり、就学前は癇癪やことばの遅れに悩んでいました。
地域の小学校の特別支援学級に通学することが決まったことで就学への不安が高まり、年長の秋から「おしゃべり上達メソッド」を受講しはじめて丸3年になります。
3年前には想像もできないほどに、息子はことばを話し癇癪もやわらぎました。
今は母子ともに穏やかな日が増え、笑顔で生活できています。
ですが、たまに怒ってしまうこともあるのは、ここだけの秘密^^;

癇癪が再出現⁈ASDの息子が思春期の入り口に立ち始めた不安
最近、ASDの息子の様子に少し変化を感じるようになりました。
以前の息子は「こうすれば?」と提案すると「わかったー!」と行動してくれる元気で素直な男の子だったのです。
それなのに、小学校3年生になったころから感情的に反発することが増えました。
たとえば、「そろそろお風呂に入ろうか^^」と提案すると「言わないでよ!わかってるのに!」とイライラしだす。
私が頭ごなしに指示しちゃったかな?と自分の行いを振り返ってみました。
ところが、おしゃべり上達メソッドのNG対応である「感情的に叱る」は封印しています。
息子は何でイライラしているのだろう...?と悩んでいたところ、お世話になっている放課後デイの支援員さんからこんな情報共有がありました。
「思春期に片足のつま先を踏み入れた感じ」
確かに、息子の様子を見ると、「頭で理解していること」と「気持ち」が一致していなくて戸惑っている感じがする!

小学校3年生、まだまだかわいい子どもだと思っていたけれど、しっかり成長しているのも確かです。
「もうそんなに成長してきたのか!」と感激と同時に心配が出て来ました…。
思春期って対応がめちゃくちゃ難しかったような気がする…。
おまけに、一筋縄じゃ行かない発達障害育児です。
ASDの息子の思春期に適切な対応ができるのか不安になりました。
ASDの思春期育児に困った私が本田秀夫先生の一冊で再確認した育児方針
おしゃべり上達メソッドでは「褒め8割」で子育てをするのが基本です。
けれど、思春期になると「否定ゼロ・100%肯定」が推奨されます。
おしゃべり上達メソッドは脳科学の根拠と何人もの子育ての実績によって構築されたコミュニケーション方法で信頼に値するもの。
ですが、私はもう少し科学的根拠を増やして、思春期の発達障害の育児のことばで表現できない不安を和らげたいと思いました。
そこで、精神科医・本田秀夫先生の著書『子どもの発達障害〜子育てで大切なこと、やってはいけないこと〜』を拝読。
こちらの本では幼児期〜思春期にさしかかる時期までの育て方が解説されていました。
そして、発達障害の子の育て方のポイントが3つ書かれていたので、ご紹介します。
①多数派に合わせない
②平均値に合わせない
③友達に合わせない

そして、本田先生は発達障害の子どもの育児の様々な視点を読者に教えて下さっています。
本田先生が沢山教えて下さっている育児の視点の中で、私の印象に残った2つを抜粋しました。
・発達障害の子は個性的なので、親も常識にとらわれないで子供に合わせて柔軟にやり方を変えたほうがいい
・子どもには自発的に伸びていく芽があり、それを見つけてそのまま伸ばすことが大事
このことばを見た時にASDの息子へ褒め8割で育児をしようと決めた時の気持ちが思い出されました。
脳科学をベースにしているおしゃべり上達メソッドでも、以下のように学んでいたからです。
「人の脳は人の顔がみんな違うように、人それぞれ違う」
「苦手よりも得意が子どもの脳を伸ばす」
つまり、子どもの成長は“まわりと比べるもの”ではなく、“その子の中にある力を見つけること”なんだと気付かされました。
親が「できないこと」に目を向けるより、「できたこと」を見つけて喜ぶ方が、ずっと力になる、と思ったら、胸の中がふっと軽くなったんです。
本を読んだことで、発達障害の子を育てるうえでいちばん大切な視点であったと思い出しました。
ASDの子の成長に合わせて今まで「気持ちを尊重する」育児にシフトチェンジ
息子からしたら「そろそろお風呂に入ろうか」の私の声掛けは、息子自身ではない他人の基準での声掛け。
さらには、”できていないこと”を示すことばです。
思春期の入り口に立つASDの息子には「入ろうか」という提案ではなく、「入ったらいいと思うんだけど、あなたは今、どう思う?」と息子自身の気持ちを尊重する関わりが必要な育児の段階になってきていると知りました。
「息子自身の気持ち」を聞くなんて、3年前は夢のまた夢だったのです。
ですが、おしゃべり上達メソッドで「ことばの発達」を支えてきたからこそ、「気持ちを聞く」育児に進めているのだと感動しました。
発達障害の子の育て方をアップデートしたところで、改めて「思春期」という発達課題を調べてみました。
思春期のキーワードは「自我の確立」と「自立への準備」です。
つまり、“自分とは何者か”“自分はどうしたいのか”を考え始める時期。
また、この時期に必要なのが「自己肯定感」なのです。
自我を育てるには「自分には価値がある」「自分の考えを持っていい」と感じられる自信、つまり自己肯定感が欠かせません。
そして、ASDをはじめ発達特性を持つ子どもたちは、周りから「できない」と言われることも多く、どうしても自信をなくしやすい傾向があります。
「自分はだめなのかな…」と感じやすいからこそ、家庭では「そのままのあなたで大丈夫」と伝えることが何よりの支えになっていくのです。

「自分の考え」を伝え始めたASDの息子が教えてくれたこと
ことばの発達が遅いASDの息子にとっては、「自分の意見を持ち、自分のことばとして出し始めたこと」自体が、大きな成長です。
そのため、私の親としての役割は以下の2つだと思っています。
・息子の意見を正すことではなく、受け止めること
・息子の“自分で考える力”を伸ばしていくこと
わが子の成長の芽を摘むのではなく、「あなたの考えを聞かせて」と関心を向けて、信じて待つことが思春期の育て方なのだと学びました。

私も人なので、完璧な対応はできません。
ですが、息子を観察しながら歩調を合わせる努力ならできます。
親が焦らず見守り寄り添うことで、ASDの息子が“自分を好きになる力”を育てられると信じています。
発達科学コミュニケーション
アンバサダー たなか ようこ






