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自閉症の子育てで積み重ねてきた学び
私は、中度知的障害と自閉症のある7歳の息子を育てています。
約二年間、家庭で息子の発達を支えるために発達科学コミュニケーションを学び続けてきました。
学びを重ねる中で、少しずつ息子への関わり方が分かるようになり、成長を感じる瞬間も増えてきました。
完璧ではない日々でも、毎日の取り組みが少しずつ積み重なっていることを実感しています。
そんな時、師匠である今川ホルン先生の2冊目の書籍が出版され、出版記念講演会が開かれると知りました。
講演会には、精神科医さわ先生も登壇されると聞き、心が強く動きました。
自閉症の子育てを続けてきた私に講演発表の話があった日
すると師匠から、講演会で自分の体験を発表しないかと声をかけられました。
その瞬間、頭が真っ白になりました。
「私なんかが」
二年間続けてきた子育てを、人前で語るほどの価値があるのかと不安になったのです。
これまで続けてきた日々の積み重ねが、人に伝わるのかという迷いも重なり、発表するかどうか判断できずに数日間迷い続けました。
不安と期待が入り混じる中で、心は大きく揺れ動いていた私。
師匠の期待に応えたいという気持ちと、「私なんかが話していいのだろうか」という不安が交錯し、迷いの中で何度も立ち止まる時間が続きました。
迷う中で思い出した「勇気のいる方へ」という言葉
迷いながら過ごす中で、ふと思い出した言葉があります。
「迷ったら勇気のいる方へ」
完璧に伝えようとする必要はなく、今の自分の気持ちや学んできた考え方を頼りにして判断すればいい、という思いが背中をそっと押してくれました。
迷いが消えたわけではありません。
それでも一歩を選べました。
日々の積み重ねが今の自分を支えてくれているのかもしれないと感じたのです。

私の子育てが誰かの希望になっていたと知った発表のあと
発表を終えた後、聞いてくださった方から自閉症の息子の成長に感動したという声をいただきました。
言葉を受け取ったとき、続けてきた関わりが「間違っていなかった」と、自分で認めてもいいのだと思えました。
さらに、
「息子くんみたいになるのが今の目標なんです」
と言われた瞬間、胸が熱くなりました。
この言葉は、かつて私が師匠に伝えた想いと重なる内容だったからです。
発表を通して、息子のこれまでの成長や、二年間続けてきた発達科学コミュニケーションでの学びを、少し離れたところから振り返ることができました。
そして、日々の関わりや子育ての記録を発信してきたことが、誰かの希望につながっていたと知り、学び続けてきて良かったと心から思えた時間だったのを覚えています。
周りの方の声をきっかけに、これまで向き合い続けてきた関わりを「間違っていなかった」と自分で認めることができました。

これまでの関わりを信じて子育てを続けていく
二年間続けてきた発達科学コミュニケーションでの学びと、息子への日々の関わりを重ねてきた時間は、発表をきっかけに、これからの子育てや発信のあり方を見つめ直す時間へとつながっていきました。
大きな自信が生まれたわけではありません。
けれど、学びに基づいた子育てを続けてきたことを、これからも自分の言葉で伝えていっていいのかもしれないと思えるようになったのです。
講演会で体験を言葉にしたことは、これまで向き合い続けてきた時間の意味を自分で受け止め、自閉症の息子との関わりと発信をこれからも続けていこうと思えました。
発達科学コミュニケーション アンバサダー
畠中なつみ







