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リアル体験が知的障害の子の挑戦する気持ちをかき立てるきっかけになる
せっかくリハビリを受けているのに、先生の声かけにはまるで無反応。
「こっち見て〜」の声がけだけで時間が過ぎてしまい、がっかりした経験はありませんか?
実は、それは子ども自身の特性や、そのときの環境が影響していることが多いのです。
【1】言葉が「意味のあるもの」として届いていない
言語の理解がゆっくりな子にとって、「○○してね」の声かけは、意味が結びつきにくいことがあります。
言葉だけだと「何をすればいいの?」とピンとこないのです。
【2】注目する力が弱く、声に意識が向かない
周りの音や光、目に映るものに気を取られて、先生の声に気づけないこともあります。
注意を向けるのは、実はとても大変なことなのです。
【3】反応したくても「どうすればいいかわからない」
「どう動けばいいかわからない」「合っているか不安」など、頭と体がつながらず固まってしまうこともあります。
動きのイメージを作るのが苦手な子も多いです。
【4】疲れや不安、体のしんどさがある
感覚過敏や身体の動かしにくさがあると、ほんの少しの刺激でもぐったりしてしまいます。
リハビリ前の活動で疲れていた、ということもよくあります。
【5】「無反応=イヤ」ではないことも
返事がないと「拒否された?」と感じるかもしれませんが、実は「今、がんばって処理中」のことも。
反応がゆっくりな子、じっくり考えるタイプの子もいるのです。
子どもが声かけに反応しないときに大事なのは、
「届いていないのか?」「届いているけどわからないのか?」を見極めること。
そんなときにおすすめなのが、おもちゃや活動を “リアル” に体験させてみることです。

遊びが知的障害の子どもの成長を支える自然なリハビリになる
知的障害のある子どもは、言葉だけの指示や説明を理解するのが難しいことが多く、リハビリでの声かけに反応が出にくいことも珍しくありません。
だからこそ、小さな「できた!」を積み重ねる体験が大切になります。
子どもにとって成功体験は自信につながり、やる気の源になるからです。
また、子どもの成長は「今」という瞬間の積み重ねでつくられていきます。
リハビリのようなかたく、決まった環境だけでなく、遊びや日常生活の中でのリアルな体験も必要なのです。
リアルな体験は子どもにとって楽しく、自然に体を動かすきっかけになりますよ。
そして楽しい経験は、やる気を引き出し、長く続ける力にもなるのです。
リハビリで反応がなくても、五感や気持ちを使ったリアルな体験を取り入れることが、「やってみよう!」という気持ちを引き出し、子どもの成長を支える大きな力になります。

知的障害の息子の挑戦したい気持ちがリハビリを超えた
私には手先が不器用で重度の知的障害がある息子がいます。
小学校に入る前は、できることを少しでも増やしたくて、何軒もの病院を回りながらリハビリに励む毎日でした。
それなのに先生が「見て〜」と声をかけても、息子はまったく反応せず、見るたびにがっかり。
ある時、息子が取り組んでいた課題のひとつに自動販売機のおもちゃがありました。
先生から受け取ったコインを自動販売機に入れてボタンを押すとジュースが出てくる仕組みです。
そこでふと思い立ち、息子の大好きなオレンジジュースを本物の自動販売機で買ってみることに。
最初は乗り気でなかった息子ですが、自動販売機から好きなオレンジジュースが出てくるのを見て目が輝きました。
硬貨を入れてボタンを押せばジュースが出てくる一連の流れもすぐに理解し、次に私のジュースを買うときには、硬貨を投入口に持っていくしぐさを見せてくれたのです。

知的障害の子が楽しく感じる成功体験の作り方
やり方はとても簡単です。
まずは、ママと一緒に自動販売機でジュースを買う体験をしてみましょう。
もし子どもが嫌がるようなら、「見ててね」と言って、まずはママが硬貨を入れて子どもの好きなジュースを買ってあげてください。
大好きなジュースが出てくる様子に、子どもの興味は自然と自動販売機に集中するはずです。
次は、子どもに硬貨を渡して、一緒に硬貨投入口に入れてみましょう。
もし子どもが自分でやりたがったら、その気持ちを尊重してやらせてあげてください。
できたら、その都度たくさん褒めることも忘れずに。
硬貨を入れ終わったら、ママが「これが欲しいな」と言いながら欲しい飲み物を示し、そのボタンを子どもに押してもらうか、一緒に押してあげましょう。
この一連の動作を通して、見る力が育つだけでなく、「できた!」という成功体験が子どもに自信を与え、ママの声かけが言葉の理解を促すきっかけにもなります。
ぜひ、楽しみながら試してみてくださいね。
発達科学コミュニケーション
トレーナー 岩村 萌永(いわむら もな)






