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ママの関わりが「1人遊び」を“ことばを伸ばす”チャンスに変える!
自閉症のお子さんの1人遊びは決して悪いことではありません。
自分で集中して遊ぶ時間は、感覚や運動、情緒の発達を育てる大切な時間です。
ただし「遊びが一人で完結してしまう」状態が続くと、人とのやりとりを通して育まれるはずのコミュニケーションの経験が不足してしまいます。
言葉の発達には、
・愛着関係(安心感・信頼感)
・共感・共有体験(「一緒に楽しい」が積み重なること)
・知覚や運動の発達(見て・聞いて・触っての体験)
こうした複数の要素が複雑に関わり合っています。
言葉の発達を促す要素のうち「人と関わる経験」が少ないと、インプットが偏り、発語に結びつきにくくなるのです。
だからこそ、1人遊びも大事ですが、いつもいつも1人遊びにするのではなく、“言葉”を育てるチャンスと捉えて関わっていきましょう!!
自閉症の子の遊びにママがちょっと寄り添うだけで、インプットが増え、「伝えたい」「話したい」という気持ちが芽生えていきますよ。

幼児期は自閉症の子のことばがぐんぐん伸びる“旬”のタイミング
言葉の発達には“旬”ともいえるタイミングがあります。
幼児期は、脳が「音や人とのやりとり」にとても敏感で、インプットが積み重なりやすい時期。
この幼児期に「楽しいやりとりの経験」があるかどうかは、将来の「ことばの理解力」や「人との関係の築きやすさ」に影響します。
「そのうち話すから大丈夫」と思っている間に、 やりとりの経験が少ないまま年齢が上がると、 集団生活や学習の場でコミュニケーションの困難さが強まってしまうケースもあるんです。
だからこそ、“今”対応することが、言葉を伸ばし、未来を生きやすくする土台作りになるのです。

1人遊びばかりの自閉症娘から笑顔で「ママ」「だいすき」が聞けたストーリー
私の自閉症の娘は全く私を見ない子でした。
喃語ばかりで言葉が出ない…。
1人遊びが多く、公園でも家でも、話しかけても無視…。
寂しい子育ての毎日でした。
ですが、ある時から娘の1人遊びに私が笑顔で関わってみたんです。
ブロックを積むのを見て「高いね!」と声をかけ、一緒に笑ったり拍手したり。
ちょっとした関わりの積み重ねで、少しずつ「一緒に遊ぶ」経験が増え、やがて娘の言葉も増えていきました。
「見てくれない子」から「一緒に楽しめる子」へ。
この変化は、娘にとっても私にとっても大きな喜びでした。
1ヶ月後には、喃語しか話さなかった娘が「ママ」と呼んでくれるようになり、さらに3ヶ月後には「だいすき」と言ってもらえるまでになったんです^^

自閉症の子の1人遊びをことばに繋げるママの声かけポイント
1.1人遊び中に笑顔で名前を呼ぶ
呼ばれることで「ママが自分を見てくれている」と安心できます。
2.子どもの視線の先に合わせて声をかける
例:「車だね!」「すべり台だね!」
同じものを共有する経験が、語彙を増やし、伝えたい気持ちをグンとUPさせます。
3.楽しさを一緒に表現する
「わあ!」「すごい!」とリアクションを返すことで、子どもは「もっとママに伝えたい!」という意欲が高まっていきますよ^^
◇自閉症の子の1人遊びは“言葉”を育てるチャンス。
ママのちょっとした声かけが、お子さんへインプットされる情報を増やし、誰かに「伝えたい」「話したい」という気持ちも育っていきます。
ぜひ、やってみてくださいね^^

発達科学コミュニケーション
リサーチャー 月山おと






