1.自閉っ子が分かりやすい伝え方
幼稚園での行事やイレギュラーなことが起きると不安になる。というのは自閉症の子の特徴ですね。
「自閉っ子はとても不安を感じやすいため、見通しを持たせてあげることが大事。」
「自閉っ子は視覚優位の子が多いため、視覚的に伝えることが大事。」
ということはよく知られています。自閉っ子のママたちはご存じの方も多いと思います^^
視覚的に分かりやすいように絵をかいたり、絵を書いたり、絵カードを使ったりして見通しを持たせてあげようと工夫しているのにいまいち伝わっていない気がする...そんな悩みをもっている方はいませんか?

2.自閉っ子が得意な情報処理
脳の情報処理、つまり物事を考えたり、理解しようとするとき、人によって得意な方法があります。
継次処理、同時処理という言葉はご存じですか?
「継次処理」は時間軸に沿って順番に処理する能力です。
つまり、何かを理解しようとするとき1つ1つ順番に理解する方法です。
例:道案内をするとき「最初に右を曲がって、次は左で、....最後は右に曲がるとゴール!」のように順番に伝える方が分かりやすいです。
一方、「同時処理」は情報を1つの全体的なまとまりとして処理する能力です。
つまり、まず大まかな全体像をつかんでから理解する方法です。
例:道案内をするとき「今いるところからゴールまでの大体の方向を地図からイメージ」させてあげると分かりやすいです。
大人はこの2つの処理をどちらも使いながら生活していますが、無意識に得意な方法で考えようとします。
発達障害あるのかたはこの処理の凸凹がより大きい傾向にあります。
この特徴を考慮して、伝え方を工夫すると理解しやすくなります^^

3.伝え方1つ変えただけで理解度が変わった息子
我が家の自閉っ子は同時処理が得意であるということは分かっていましたが、予定を伝えるときにずっと絵で書いて1つずつ順番に説明していました。
それを同時処理しやすいように変えると「あぁ、なるほどね!わかった!!」とでも言いたそうに、すぐに理解しました。
幼稚園の行事のたびに不安になり、泣いてパニックを起こすことも多かった息子がこの方法に変えてから行事全体の流れを理解出来るようになり、特に問題なく行事に参加出来るようになりました。
もっと早く伝え方を工夫してあげれば、本人もママも、幼稚園の先生も大変な思いをしなくてすんだかもしれません。
4.自閉っ子に届く伝え方の工夫
自閉っ子でも聴覚優位なお子さんは継次処理が得意な傾向があるので、一つ一つ順番に伝えていく方法でいいと思います^^
自閉っ子で視覚優位の場合は同時処理が得意な傾向があります。
同時処理が得意!を生かした園の行事の予定の伝え方をお伝えします。
まずは行事の全体像を教えてあげることが大切です。
去年の写真や動画を見せてあげて、行事の雰囲気を伝えます。
そのあとで細かい部分を説明すると分かりやすいです。
もう一つ、私がやっていた工夫は、時間のゴール、つまり終わる時間を伝えておくことです。同時処理の得意な人はとにかくゴールを先に教えて欲しい!!というタイプなので、話すときも説明するときもゴールを先に伝えます。
例えば、1時間ほどの行事であれば、時計の絵を描いて、何時に始まって何時に終わるのか伝えます。(例:長い針が3から始まってまた3になったらおしまい)そのあとその時間の中で、何をするのか伝えました。

長い針3~6で着替えるよ。6~9で発表だよ。9~12で他のクラスの発表を聞くよ。12~3でまた着替えて。そのあと帰る
ゴールが分かった上で説明を聞く方が安心するので最後まで聞いてくれます。
同時処理タイプだと、はじめから一つ一つ説明しているとこの話いつまで続くんだろう...と説明を聞くのも飽きてきてしまいます。
ちょっとしたことですが、意識するだけで自閉っ子が理解しやすくなり、不安の軽減にも繋がります。
是非自閉っ子が理解しやすい工夫をしてあげてくださいね^^
▼東原あやInstagram https://www.instagram.com/higashihara_aya/ インスタグラムで不安の強いかんしゃくっ子への対応について書いています!

不安の強いかんしゃくっ子をイライラせずに発達させる 自閉症専用3ヶ月おしゃべり上達メソッド 発達科学コミュニケーショントレーナー 東原あや