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社会科見学記事2:食いっぱぐれない未来のために私が息子につけたい力を明確にしてくれたエフピコダックス株式会社見学会

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食いっぱぐれないプロジェクトで行った工場見学で息子が18歳までにまず身に付けたい力がわかりました。

前半:働く力以外の力が必要だと教えてもらった座学

初めての工場見学。

自分では工場見学に行ってみようとは思えないので、
同じ自閉っ子のママの皆さんと行けるのはとても安心だなと思いながら参加しました。
見学に行った、エフピコダックス株式会社(以下エフピコ)では
最初は座学でその後が工場見学という流れで見学をさせてもらえました。

座学では

・トレーを作って回収してリサイクルをしている会社はエフピコだけということ

・全体で365名(障がい者雇用率12.5%)の障がいのある方が働いていていること

・2時間かけて出勤してくる人もいること

・職業判定で重度と診断されても正社員として働いていること

など

いろいろなお話を聞かせていただけました。

以前、長男が通う支援学校での懇談会で、
働くために必要な力は毎日出勤できることだという話を聞いていて、
エフピコでも仕事をする能力以外の力(例えば自分の体調管理、毎日出勤すること、良い人間関係など)が必要だと説明されていて、
判定じゃなくて、毎日ちゃんと出勤できるかとういうこととコミュニケーションが取れること
とても大事なんだなと学ばせてもらいました。

後半:楽しく工場見学をしていた私がふと疑問に思ったこと

工場のラインには、光の反射で透明容器の素材を見分ける機械があったり、見ていてとても楽しく、
私たちの質問にもとても丁寧に答えていただけて来てよかったなと思う体験でした。

だけど、
「障がいのあるの人の話は聞くけど、一緒に働いている健常者についての話は聞いてないな。
一緒に働いている方たちはやっぱり障がいのある社員さんの対応について研修を受けたりしているのかな?」

ふと疑問に思いました。

今、私は3人の自閉っ子を子育て中ですが、知識がないと対応に困ることがよくあります。
何回言っても伝わらなくて、イライラすることもあります。
自閉っ子の子育てをしているからこそ気持ちや行動の意味がわかることが多いため、
働くまで障がいのある人と関わったことがなかったら、対応に困ったりしそうなイメージだったのです。

一緒に働く社員の障がいのある社員に対する考え方

見学を案内してくれている方に
「障がいのある社員さんについての対応の仕方など研修を受けたりするんですか?」
と聞いてみました。

そうすると
「教えられても、ひとりひとりみんな違うので、あんまり意味がないというか…
毎日この伝え方は伝わらなかったか…これもダメだったかと思って反省して変えていっている」

と教えてもらいました。

伝わらないから諦めるのではなく、
伝わるように変えていこうという考えの方が一緒に働いているというのは
自閉症の子をもつ親としてとても嬉しい言葉でした。

工場見学で明確になった息子につけたい力

見学をしたときは一緒に働く人が歩み寄ってくれるから
西宮工場では勤続年数が15年と続いているのかもなと思っていたのですが、
後から考えるとそれだけではない気がしました。

容器を作る作業を見ている時、
1日1000個の容器を作ることを聞きました。
同じ作業が得意であっても1000個となるとかなりの根気が入ります。
手と足が別の作業を同時に行う場面もあり、
「私がやったらそんなにできるのかな?めっちゃ失敗しそう…」と思うぐらいだったので、
それを頑張り続けられている方々を見てすごく感動しました。

また、お話している中で、
やっぱり日によっては気持ちの切り替えができない場合があると聞きました。
だけどそんなときも「頑張れる?」と聞くと
「お給料が欲しいから頑張る」「ライブに行くためにここまで頑張る」と言って
気持ちを切り替えて作業を進めているとおっしゃっていました。

そうやって毎日毎日頑張っている姿があって、
障がいがあっても頑張ることができるのをわかっているから、
一緒に働いている人は伝わるように声かけを変えたり、頑張れるように声かけをしてくれるんだろうなと思いました。

そんなふうに考えると、働くまでの約10年で長男につけたい力が何なのかが明確になりました。

それは2つありました。


まず一つ目は毎日遅刻せず出勤できる力
もう一つはエフピコで働いている方達の「ライブに行きたいから仕事を頑張る」のように
少し先の目標のために今を頑張れる力です。

食いっぱぐれない未来のための今の目標

今の息子は朝が苦手で遅刻気味、
「今すぐこれがしたい」という思いが強く、
「〇〇のために△△を頑張る」はまだできていない状態です。

まずは遅刻をしないで登校できることと、
「大好きなご飯を食べるために机を綺麗にする」など
小さい目標から頑張れるようにしていきたいと思います。

そして日々スモールステップで進めていき、
18歳になった時に働いて自分の力で生きていく、
食いっぱぐれない未来を手渡せていられるように成長させたいです。

「食いっぱぐれないプロジェクト」では
他にも工場見学に行ったり様々なイベントが開催されます。

同じ自閉っ子と自閉っ子ママと行くイベントはとても安心で心強いのでぜひ参加してみてください☆
一緒に未来への不安を解消していきましょう!

発達科学コミュニケーション リサーチャー

岩田 彩奈

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