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スキンシップが子どもの脳を育てる心の土台になる
「もっと落ち着いてくれたらいいのに…」
「ことばが増えたら、毎日が少し楽になるのにな」
そんなふうに思ったこと、ありませんか?
知的障害のある子どもは、感じたり考えたりする力がゆっくり育つことが多いです。
だから、「どうしたら伸びるんだろう?」と考えると、つい「いい療育」や「正しい教え方」を探したくなりますよね。
実は、その “がんばる力” の土台になるのが、スキンシップなんです。
ぎゅっと抱っこされたり、優しくなでられたり。
そんな “ぬくもり” を感じると、子どもの心は「安心したよ」「大丈夫だよ」と落ち着いていきます。
この安心こそが、「話を聞こう」「やってみよう」と思えるエネルギーになるのです。
脳は、こわがっていたり不安だったりすると、うまく働くことができません。
でもママにやさしく触れられると、心がゆるんで脳もすっと動き出します。
それが、「できた!」の小さな積み重ねにつながっていくのです。

知的障害キッズの脳と心を育てる土台になるスキンシップ
子どもの成長は毎日の積み重ねでできています。
特に脳の発達は、生まれてからの「今」の時期がとても大切です。
これは知的障害がある子どもも変わりません。
スキンシップは、ただの触れ合い以上の意味があります。
「今」という時期にたくさんの安心や喜びを感じる経験が、脳の神経回路を育てていくのです。
また、知的障害のある子は言葉で気持ちを伝えにくいことも多く、ママのぬくもりや声かけが心の安定に大きく役立ちます。
だからこそ、 “今、この瞬間” のスキンシップが、子どもの心と脳を育てる土台になるのです。
遅すぎるということはありませんが、できるだけ早く、毎日の中でふれあいを増やしていくことで、子どもに安心感と自信が積み重なっていきます。
それが未来の大きな成長につながる大切な一歩になりますよ。

スキンシップで充電される息子の心
私には知的障害のある息子がいます。
彼はとても甘えん坊で、いつも抱っこやおんぶをせがみ、スキンシップをたくさん求めてきます。
正直なところ、「男の子なのにこんなに甘えてばかりで大丈夫かな」と不安に思うこともありました。
それでも、十分に甘えさせると彼は自分からふっと離れていくのです。
その瞬間、「ああ、心の充電が満たされたんだな」と感じました。
スキンシップによって心が安らぎ、安心できているからこそ、自分のペースで次の行動に進めるのだと思います。
この経験から、スキンシップは知的障害のある子どもの脳だけでなく、心を育てる大切な「エネルギー補給」だと実感しています。
知的障害の子が笑顔になるスキンシップ具体例
「スキンシップが大事なのはわかったけど、具体的にどんなふうにしたらいいの?」
そんな声をよく聞きます。
特別なことをする必要はありません。
大切なのは、ふれあいを通して「安心」と「うれしい」を届けること。
それが知的障害のある子どもの心をゆるめ、脳の発達を促す土台になります。
たとえば、こんな関わりが子どもの脳をやさしく育ててくれます。
- 朝の「おはようハグ」
眠そうな朝にぎゅっと抱きしめて「おはよう」
→ 心と体のスイッチが入り、1日のスタートが穏やかに。 - 手をつないで歩く
ただ手をつなぐだけで “ママと一緒” の安心感が伝わります。
→ 気持ちが落ち着いて、自信を持って行動できるように。 - できたときの「タッチ!」「ぎゅっ!」
何かができた瞬間に、笑顔でタッチやハイタッチ、ぎゅっと抱きしめる。
→ 「できた!」の喜びが脳に残り、自己肯定感が育ちます。

- 寝る前のなでなでタイム
おでこや背中をやさしくなでながら「今日もがんばったね」
→ 心がほっとして、安心して眠れる。脳もぐっすり休めます。
どれも、「ママの気持ちを伝える手段」としてのスキンシップなんです。
スキンシップが苦手な知的障害児の心をゆるめる方法
「うちの子、スキンシップが苦手で…」
「抱っこしようとすると逃げちゃうんです」
そんなふうに感じているママもきっといらっしゃると思います。
だけど大丈夫。
スキンシップは “肌と肌” のふれあいだけではありません。
子どもが「心地いい」と感じる形で、心を通わせることがいちばん大切です。
たとえば、こんな “やさしいステップ” から始めてみませんか?
- 声でつながる
「○○してるね〜」
「うれしいね〜」
と近くでやさしく声をかける。
→ 言葉のぬくもりが心に届いて、安心感が育ちます。 - 一緒に歌う・リズムをとる
手拍子をしたり、歌を一緒に歌ったり。
→ タイミングを合わせることで、自然と心の距離も近づきます。 - 遠くから「見てるよ」のまなざし
子どもが遊んでいるのを、にっこり見守る。
→ 「ちゃんと見てもらってる」という感覚が、子どもの安心につながります。 - 子どものペースでタッチ
ふと近づいてきたときに、そっとタッチ。にこっと笑うだけでもOK。
→ 「ふれるって、いいかも」と思える小さな成功体験になります。
無理にふれようとしなくても大丈夫。
「安心できるママの存在」そのものが、なによりのスキンシップになりますよ。
発達科学コミュニケーション
トレーナー 岩村 萌永(いわむら もな)






