目次
子煩悩なパパなのに…自閉症息子が「パパ嫌い」になった理由
自閉症の子育てをしていると、「パパ嫌い!」とパパが苦手なことで悩むママは少なくありません。
わが家もまさにそうでした。
私には知的障害を伴う自閉症と診断された小学3年生の息子がいます。
息子が小学生になってからというもの、「パパ邪魔!」とまで言って、パパの存在を拒否することがよくありました。
ですが、今では「パパいないの?」「パパいつ帰ってくる?」と、パパを必要とする言葉が聞けるようになったのです。
今回の記事では、我が家で父子関係を改善するために実践した工夫を、体験談としてお伝えします。
自閉症息子が「パパ嫌い」と言っていた背景には
・パパの関わりが「しつけ」中心で、指示や否定が多く感じられる
・一緒に過ごす時間が短く、存在自体が“非日常”になってしまう
・ママと比べて子どもへの理解が浅く、すれ違いが起こりやすい
などの要因がありました。
夫は子煩悩で愛情深い一方、「本当はできる子!」と自閉症息子に普通の子と同じように求める場面が多く、その結果、息子にとってパパは「褒めてくれる人」ではなく、「指示ばかり出す人」になってしまいました。

「パパ邪魔!」とまで言うようになった自閉症の息子と父子関係の壁
当時、夫は単身赴任で、毎週必ず帰ってくるわけではありませんでした。
息子にとっては「パパがいない日常」が当たり前で、逆に「パパがいる日」が特別でイレギュラーな状態になっていたんです。
さらには、短い時間の中で「もっとこうしなさい」と指摘されることが増え、ついにはソファに座る夫に「パパ邪魔!」と言うほどに…。
私は安心して息子を夫に預けられず、外出してもすぐに帰宅するしかありませんでした。
帰宅後に、大泣きをしている息子を見ると、置いていかなければよかった・・・と思うこともしばしば。
ですが、将来的にパパから学ぶこともたくさんあるはず。
そして私も安心して出かけたい。
だからこそ「パパとの関係を良くしたい!」と強く思うようになりました。

パパと仲良く遊んでるときほど声をかけよう!!
さて、どうしたら関係がよくなるんだろう…?と考えていたとき、ふと気づいたんです。
「兄弟げんかを減らしたいなら、仲良くしているときほど声をかける」
(参考記事:https://horn2020.com/7851/)
これ、パパと息子にも使えそう!
そこで私は、パパと息子が楽しく過ごしているときにこそ声をかけることにしました。
さらに、夫に対しても、私から「ああして、こうして!」と息子への対応を指示することをやめ、夫のできていることに目を向け、褒める声かけを意識的に増やすことにしたのです。

自閉症息子の「パパ嫌い」が「いないと寂しい」に変化した声かけ
実際にやったことは以下の通りです。
◇仲良しの瞬間に声をかける
「何してるの〜楽しそうだね!」
「パパ、〇〇と遊べて嬉しそうだね!」
◇パパへの感謝・褒めを伝える
「ご飯作ってくれてありがとう」
「掃除してくれたの!?助かる〜」
「パパが一緒だと〇〇も楽しそうだね!」
◇パパを息子の前で褒める
「パパ、知っててすごいね〜」
「ママにはできないや〜」
◇癇癪や困った行動への対応はママ専任
息子が癇癪やパニックを起こしたときには、あえて夫を関わらせず「空気」になってもらいました。
その方が息子も落ち着きやすく、夫にとっても「嫌われ役」にならずに済みました。
そして、こうした声かけや工夫を2ヶ月ほど続けるうちに、息子の態度が少しずつやわらかくなってきました。
「パパ邪魔!」という言葉は減り、一緒に遊ぶ時間が増えていったのです。
やがて…「パパいないの?」「パパいつ帰ってくる?」と、パパの存在を気にするように。
さらに「寂しい〜」「パパがいないと〇〇できない」といった言葉も聞かれるようになりました。
自閉症息子とパパの仲直りで息子の“できた!”がどんどん増える
パパが“いても邪魔な存在”から、“いなくては困る存在”へ。
この変化は、我が家にとって本当に大きな出来事でした。
今では2人で一緒に図鑑を見ながら、ニコニコ話していたり、カタカナを覚えたり、算数の勉強をしていることも♪
私の外出中に一緒にカレーを作って待ってくれているなんてこともできるようになりました^^
自閉症の子育てで「パパ嫌い」に悩むのは、決して珍しいことではありません^^;
もし同じようなママさんがいたら、ぜひ「パパとお子さんの仲良しの瞬間を褒める」ことから始めてみてください。
少しずつ、温かい変化が見えてくるはずです。

合わせて読みたい
発達科学コミュニケーション
アンバサダー 長澤 菜月






